問題
正四面体ABCDの頂点A,B,C,D上の動点Pが,時刻0には頂点Bにいるとする。0以上の整数nに対して,時刻n+1のPの位置が,時刻nのPの位置から以下のルールに従って決まるとする。
● 時刻nにPが頂点Aにいる場合
時刻n+1にPはそれぞれ確率21,61,61,61で頂点A,B,C,Dにいる。
● 時刻nにPが頂点Bにいる場合
時刻n+1にPはそれぞれ確率31,31,31で頂点A,B,Cにいる。
● 時刻nにPが頂点Cにいる場合
時刻n+1にPはそれぞれ確率31,31,31で頂点A,C,Dにいる。
● 時刻nにPが頂点Dにいる場合
時刻n+1にPはそれぞれ確率31,31,31で頂点A,B,Dにいる。
0以上の整数nに対して,時刻nにPが頂点A,B,C,Dにいる確率をそれぞれan,bn,cn,dnとする。以下の問いに答えよ。
(1) anを求めよ。
(2) nが3の倍数のときのbn−cnとcn−dnを求めよ。
(3) nが3の倍数のときのbn,cn,dnを求めよ。
出典:九州大学 2021年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第4問
解答
(1)
時刻 n に頂点Aにいる確率は an であり、頂点B,C,Dにいる確率の和は bn+cn+dn=1−an である。遷移規則から、時刻 n+1 にAにいる確率は an+1=21an+31(bn+cn+dn) である。したがって an+1=21an+31(1−an)=31+61an である。
初期状態では点PはBにいるので a0=0 である。この漸化式の一定値を A とすると A=31+61A より A=52 である。よって an+1−52=61(an−52) であり、
an−52=(61)n(a0−52)=−52(61)n
となる。したがって an=52{1−(61)n} である。
(2)
差を xn=bn−cn,yn=cn−dn とおく。まず遷移規則から bn+1=61an+31bn+31dn, cn+1=61an+31bn+31cn, dn+1=61an+31cn+31dn である。したがって xn+1=bn+1−cn+1=−31(cn−dn)=−31yn であり、yn+1=cn+1−dn+1=31(bn−dn)=31(xn+yn) である。
これを3回繰り返すと xn+3=−271xn,yn+3=−271yn となる。実際、1回目で (xn+1,yn+1)=(−31yn,31(xn+yn)) であり、さらに計算すると3回後には上の式になる。
初期状態は a0=0,b0=1,c0=d0=0 だから x0=b0−c0=1,y0=c0−d0=0 である。したがって n=3m のとき bn−cn=xn=(−271)m であり、cn−dn=yn=0 である。
(3)
n=3m とする。(2)より cn=dn である。また bn+cn+dn=1−an である。ここで δ=(−271)m とおくと bn−cn=δ である。 cn=dn だから bn+2cn=1−an であり、bn=cn+δ を代入すると 3cn+δ=1−an である。したがって cn=dn=31−an−δ であり、bn=cn+δ=31−an+2δ である。
(1)より an=52{1−(61)n} だから、n=3m のとき bn=31−an+2(−271)m, cn=dn=31−an−(−271)m である。すなわち明示的には
bn=51+152(61)n+32(−271)m,
cn=dn=51+152(61)n−31(−271)m
である。