九州大学 2021年度
後期・理系数学 後期 第3問
- 試験区分
- 後期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 指数・対数、積分
- 解法
- 体積計算、微分による最大最小、極限計算
- 難易度
- 5 / 10 計算量 5 / 10 目安 24分
問題
実数aはa>1とする。曲線y=exと直線y=a−1,直線y=aおよびy軸で囲まれた部分をy軸の周りに一回転させて得られる立体の体積をV(a)とする。以下の問いに答えよ。
(1) V(a)を求めよ。
(2) V(a)を最小とするaの値を求めよ。
(3) 次の極限を求めよ。
a→∞lim(V(a)−V(a−1))
必要ならば,x→∞limxlogx=0を証明なしで用いてよい。
出典:九州大学 2021年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第3問
方針
回転軸が y 軸なので、曲線 y=ex を x=logy と見て、水平切片の半径を logy とする。(1)は y=a−1 から y=a までの円板の体積として積分する。(2)は積分区間の上端・下端がともに a に依存するため、微分すると端点の値の差になる。符号は log(a/(a−1)) と log(a(a−1)) で判定する。(3)は隣り合う長さ1の区間での積分差を、導関数 2logy/y の最大値で押さえて0に近づける。
解答
(1)
曲線 y=ex は、y>0 に対して x=logy と書ける。a>1 なので、a−1<y<a の範囲では y>0 である。
求める図形を y 軸のまわりに回転させると、高さ y における断面は半径 logy の円である。したがって体積は V(a)=π∫a−1a(logy)2dy である。
原始関数を求める。部分積分を2回用いると ∫(logy)2dy=y(logy)2−2∫logydy であり、さらに ∫logydy=ylogy−y だから ∫(logy)2dy=y{(logy)2−2logy+2} である。よって F(y)=y{(logy)2−2logy+2} とおけば V(a)=π{F(a)−F(a−1)} である。
(2)
(1)の積分表示から V(a)=π∫a−1a(logy)2dy である。上端と下端に注意して微分すると V′(a)=π{(loga)2−(log(a−1))2} である。これを因数分解すると V′(a)=π{loga−log(a−1)}{loga+log(a−1)} =πloga−1a⋅log{a(a−1)} である。 a>1 では loga−1a>0 である。したがって V′(a) の符号は log{a(a−1)} の符号で決まる。関数 a(a−1) は a>1 で増加し、a(a−1)=1 となるのは a=21+5 のときである。
よって 1<a<21+5 では V′(a)<0、a>21+5 では V′(a)>0 となる。したがって V(a) を最小にする a は a=21+5 である。
(3)
V(a)−V(a−1)=π{∫a−1a(logy)2dy−∫a−2a−1(logy)2dy}
である。第2項で y=u−1 と見ると、これは
V(a)−V(a−1)=π∫a−1a{(logy)2−(log(y−1))2}dy
と書ける。 a が十分大きいとき、y−1>1 である。関数 f(y)=(logy)2 について f′(y)=y2logy である。y∈[a−2,a] では、a→∞ のとき 0≦y2logy≦a−22log(a) となり、右辺は0に近づく。平均変化の考え方から
0≦(logy)2−(log(y−1))2≦a−2≦u≦amaxu2logu
であるから、積分全体も0に近づく。
したがって lima→∞(V(a)−V(a−1))=0 である。