九州大学 2018年度
文系数学 前期 第3問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 文系
- 分野
- ベクトル
- 解法
- 内積の利用、式変形、ベクトル成分計算
- 難易度
- 4 / 10 計算量 4 / 10 目安 15〜18分
問題
平面上に三角形ABCと点Oが与えられている。この平面上の動点Pに対し,
L=PA2+PB2+PC2
とおく。以下の問いに答えよ。
(1) a=OA,b=OB,c=OCおよびx=OPとおくとき,次の等式を示せ。
L=3∣x∣2−2(a+b+c)⋅x+∣a∣2+∣b∣2+∣c∣2
(2) Lを最小にする点Pは三角形ABCの重心であることを示せ。また,Lの最小値は
31(AB2+BC2+CA2)
であることを示せ。
出典:九州大学 2018年度 前期日程 第2次学力試験 文系 前期 第3問
方針
各距離の2乗を ∣x−a∣2 の形で展開して足す。最小化は x について平方完成し、最小点が (a+b+c)/3、つまり重心であることを示す。最小値は展開して辺の長さ AB,BC,CA の式に戻す。別解として、重心 G を先に置いて GA+GB+GC=0 を使う方法も自然である。
解答
(1)
PA=a−x であるから PA2=∣x−a∣2=∣x∣2−2a⋅x+∣a∣2 である。同様に PB2=∣x∣2−2b⋅x+∣b∣2, PC2=∣x∣2−2c⋅x+∣c∣2 である。これらを足すと
L=3∣x∣2−2(a+b+c)⋅x+∣a∣2+∣b∣2+∣c∣2
となり、示すべき等式を得る。
(2)
(1) の式を x について平方完成する。g=(a+b+c)/3 とおくと、
L=3∣x−g∣2+∣a∣2+∣b∣2+∣c∣2−3∣g∣2
である。第1項は常に0以上であり、x=g のときにだけ0になる。したがって L を最小にする点 P は OP=3a+b+c を満たす点、すなわち三角形 ABC の重心である。
最小値を辺の長さで表す。上の最小値は
∣a∣2+∣b∣2+∣c∣2−3∣a+b+c∣2
である。一方、
AB2+BC2+CA2=∣a−b∣2+∣b−c∣2+∣c−a∣2
であり、展開すると
AB2+BC2+CA2=2(∣a∣2+∣b∣2+∣c∣2−a⋅b−b⋅c−c⋅a)
である。また
∣a+b+c∣2=∣a∣2+∣b∣2+∣c∣2+2(a⋅b+b⋅c+c⋅a)
なので、最小値は 31(AB2+BC2+CA2) となる。
別解。重心を G とすると GA+GB+GC=0 である。任意の点 P について、PA=PG+GA などと書くと、交差項が消えて PA2+PB2+PC2=3PG2+GA2+GB2+GC2 となる。したがって最小となるのは P=G のときである。また重心の性質から GA2+GB2+GC2=31(AB2+BC2+CA2) であり、同じ最小値を得る。