九州大学 2017年度
理系数学 前期 第5問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 複素数平面、指数・対数
- 解法
- 複素数の極形式、回転・拡大、計算整理
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 24分
問題
2つの複素数α=10000+10000iとw=43+41iを用いて,複素数平面上の点Pn(zn)をzn=αwn (n=1,2,⋯)により定める。ただし,iは虚数単位を表す。2と3の常用対数をlog102=0.301,log103=0.477として,以下の問いに答えよ。
(1) znの絶対値∣zn∣と偏角argznを求めよ。
(2) ∣zn∣≦1が成り立つ最小の自然数nを求めよ。
(3) 下図のように,複素数平面上の△ABCは線分ABを斜辺とし,点C(2i)を一つの頂点とする直角二等辺三角形である。なおA,Bを表す複素数の虚部は負であり,原点Oと2点A,Bの距離はともに1である。点Pnが△ABCの内部に含まれる最小の自然数nを求めよ。
% 図は省略
出典:九州大学 2017年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第5問
方針
αとwを極形式に直し,∣zn∣は等比的に半減,偏角はπ/6ずつ増えることを使う。(2)は常用対数で2n≧100002を判定する。(3)は図の直角二等辺三角形を座標で表し,内部条件をy0<y<1/2−∣x∣に直す。n<14は単位円の外,n=14は辺の外側,n=15は内部であることを順に確認する。
解答
(1)
α=10000+10000i=100002(cos4π+isin4π)
である。また
w=43+41i=21(cos6π+isin6π)
である。したがって zn=αwn より ∣zn∣=100002(21)n であり,偏角は argzn=4π+6nπ である。ただし偏角は2πの整数倍を除いて考える。
(2)
∣zn∣≦1は 100002(21)n≦1 すなわち 2n≧100002 と同値である。常用対数をとると 0.301n≧4+21⋅0.301=4.1505 である。ここで 0.301⋅13=3.913<4.1505,0.301⋅14=4.214>4.1505 なので,最小の自然数は 14 である。
(3)
まず三角形の頂点を座標で表す。C=(0,1/2)とし,A,Bは単位円上で虚部が負,かつABが斜辺である。対称性より A=(−x0,y0),B=(x0,y0) とおける。∠ACB=90∘より,直線CAとCBの傾きはそれぞれ1,−1となるので x0=46+2,y0=42−6 である。したがって三角形の内部は y0<y<21−∣x∣ で表される。
(2)より,n<14では∣zn∣>1である。三角形は単位円の内部または周上にあるので,この場合Pnは三角形の内部に入らない。 n=14のとき argz14=4π+614π≡127π である。この方向ではx<0なので,上側の辺はy=x+21である。半直線argz=127πがこの辺と交わる半径をrとすると rsin127π=rcos127π+21 であるから
r=sin127π−cos127π1/2=31
である。一方 ∣z14∣=214100002>31 である。実際,これは100006>214であり,100006>20000>16384=214から成り立つ。よってP14は三角形の外にある。 n=15のとき argz15=4π+615π≡43π である。この方向の上側の辺までの半径は sin43π−cos43π1/2=21 である。また(2)で確認した214>100002より ∣z15∣=215100002<21 である。さらにargz15=43πではy>0>y0であるから,下側の辺ABより上にある。したがってP15は三角形の内部に含まれる。
以上より,求める最小の自然数は 15 である。