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九州大学 2012年度
理系数学 前期 第4問

問題

はともに整数であるとする。2次方程式が実数解を持ち,条件をみたしているとする。このとき,数列

によって定義する。以下の問いに答えよ。

(1) は整数であることを示せ。

(2) のとき,極限値は整数であることを示せ。

(3) となるとき,の値をすべて求めよ。ただし,が無理数であることは証明なしに用いてよい。

出典:九州大学 2012年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第4問

方針

を使い、 を対称式として扱う。(1) は が整数係数の漸化式をみたすことから示す。(2) は がともに1未満、またはともに1より大きい場合に分ける。前者では 、後者では が支配的になり、比の極限はそれぞれ1、 で整数である。(3) は極限が無理数なので (2) の場合ではなく、一方の根の絶対値だけが1より大きい場合を考える。このとき極限は絶対値が1より大きい根の絶対値になり、整数係数の2次方程式に が根として入ることから を決める。

解答

(1)

2次方程式 の解が であるから、解と係数の関係より である。 とおく。 はともに をみたすので が成り立つ。 について足し合わせると すなわち である。

ここで は整数であり、 も整数である。したがって漸化式により はすべて整数である。

また

である。よって が整数なので、特に はいずれも整数である。

(2)

条件 は、 がともに1より大きい、またはともに1より小さいことを意味する。

まず のとき、 であるから である。したがって であり、極限値は整数である。

次に のときを考える。このとき である。したがって では が支配的であり、 となる。よって である。 は整数なので、 も整数である。

以上より、条件のもとで極限値は整数である。

(3)

極限値 は整数ではない。したがって (2) の条件は成り立たず、 の一方が1より大きく、他方が1より小さい場合である。

たとえば とする。このとき であるから、 では が支配的である。したがって である。同様に、 のときは極限値は である。

よって、絶対値が1より大きい方の根の絶対値が でなければならない。つまり根の一つは である。

をみたす。 は整数で、方程式は最高次係数1の2次方程式だから、無理数根 をもてば、もう一つの根はその共役 である。したがって方程式は であり、 である。

同様に、根の一つが のときは、もう一つの根は であり、方程式は である。したがって である。

実際、これら2つの場合はいずれも根の一方の絶対値が 、もう一方の絶対値が であり、条件 もみたす。よって求める組は である。