問題
2次の正方行列,はそれぞれ
をみたすものとする.このとき,以下の問いに答えよ。ただし,は2次の単位行列を表すものとする。
(1) 行列,,,を求めよ。
(2) であることを示せ。
(3) 行列から始めて,とを交互に右から掛けて得られる行列
および行列から始めて,とを交互に右から掛けて得られる行列
を考える。これらの行列の内で,相異なるものをすべて成分を用いて表せ。
出典:九州大学 2012年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第2問
方針
(1) は2本の一次独立なベクトルへの作用が与えられているので、列ベクトルを並べた行列を使って 、 を決定する。得られた行列を直接2乗して も確認する。(2) は を計算し、、 と順に掛ける。(3) は と により、交互積が6種類に周期化することを使い、 をすべて成分で列挙する。
解答
(1)
まずAを求める。与えられた条件を列ベクトルを並べて書くと
である。左の行列の行列式は だから逆行列をもつ。したがって
である。
同様にBについては
である。よって
である。
これらを2乗すると
であり、
である。
(2)
まず
である。さらに
であり、
である。
(3)
であるから、同じ文字が連続した部分は消える。また であるから、交互に掛けてできる行列は周期的に繰り返される。
実際、相異なる候補は の6種類で十分である。これらを成分で表すと
である。
これら6個は互いに成分が異なる。また、Aから始める交互積もBから始める交互積も、 と によりこの6個のいずれかに必ず一致する。したがって、求める相異なる行列は上の6個である。