問題
次のような競技を考える。競技者がサイコロを振る。もし,出た目が気に入ればその目を得点とする。そうでなければ,もう1回サイコロを振って,2つの目の合計を得点とすることができる。ただし,合計が7以上になった場合は得点は0点とする。この取り決めによって,2回目を振ると得点が下がることもあることに注意しよう。次の問いに答えよ。
(1) 競技者が常にサイコロを2回振るとすると,得点の期待値はいくらか。
(2) 競技者が最初の目が6のときだけ2回目を振らないとすると,得点の期待値はいくらか。
(3) 得点の期待値を最大にするためには,競技者は最初の目がどの範囲にあるときに2回目を振るとよいか。
方針
この競技は最初の目を見てから選択できるので,最初の目ごとに「そのまま点を取る場合」と「もう一度振る場合の期待値」を比較する。(1)(2)では全事象を数え上げるが,合計が以上なら点になるため,有効なのはの組だけである。(3)では各に対する条件付き期待値を表にして,局所的に有利な選択を選べば全体の期待値も最大になる。
解答
(1)
1回目を,2回目をとする。常に2回振るとき,得点はなら,ならである。したがって有効な和は
である。全事象は通りだから,期待値は である。
(2)
最初の目がのときはそのまま点を取る。最初の目がのときは2回目を振るので,期待値は
である。内側の有効な合計を並べると,に対して であり,総和はである。よって である。
(3)
最初の目がのとき,2回目を振ると得点が正になるのはの場合だけである。したがって,2回目を振る場合の条件付き期待値は である。各について計算すると
である。
そのままにすれば得点はであるから,のときは振り直し,のときはそのままにするのがよい。表より であり,ではである。したがって期待値を最大にするには のがよい。
なお,を式で処理しても であり,は となる。整数の中では,やはりだけが該当する。