問題
行列,に対して,行列が表す一次変換をとする.ただし,である.次の問いに答えよ.
(1) 点のによる像を求めよ.
(2) が直線をそれ自身に移すとき,の値を求めよ.
(3) 上で求めたに対して,は原点を通るある直線に関する対象移動であることを示し,その直線の方程式を求めよ.
出典:九州大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第1問
方針
まず を直接計算し、一次変換の成分表示を得る。(1) は点 を代入するだけでよい。(2) は直線 の方向ベクトル の像が同じ直線方向に平行になる条件を立てる。(3) は得られた変換の固定される直線を調べ、そこを軸とする対称移動であることを示す。
解答
まず
であるから
である。
(1)
点 の像は
である。第一成分は
であり、第二成分は
である。したがって像は である。
(2)
直線 の方向ベクトルは である。この直線がそれ自身に移るためには、 の像が に平行であればよい。 の像は である。これが 方向に平行である条件は二成分が等しいこと、すなわち である。よって となる。 だから である。
(3)
のとき、、 なので である。点が固定される条件は であり、これは である。したがって直線 上の点はすべて動かない。
また、直線 上の点 は へ移る。これは を軸として を反対側へ移した点である。任意の点は、直線 方向の成分と直線 方向の成分に分けられるので、 は直線 に関する対称移動である。求める直線は である。
別解。 は原点まわりの回転、 は 軸に関する対称移動を表す。したがって は、回転で軸を傾けた対称移動である。 では固定される軸が になり、上の成分計算と一致する。