問題
行列の個の積をとしをとする.さらにをとする.このとき,次の(1),(2)に答えよ.
(1) を求めよ.
(2) を満たす行列を求めよ.
出典:九州大学 1983年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第4問
方針
まず を帰納的に求める。上三角行列の形が保たれ、右上成分だけが になることを確認すれば、 と は成分ごとの和で計算できる。(2)は が上三角で扱いやすいので、逆行列を使う方法と、未知成分を置いて比較する方法のどちらでもよい。
解答
{(1)
である。まず
となることから、一般に
と予想できる。実際、ある で成り立つとき
となるので、この式はすべての正の整数 で成り立つ。
したがって
である。よって
さらに であるから、左上と右下の成分は である。右上成分は
であり、
を用いると したがって
(2)
は正の整数なので は逆行列をもつ。上三角行列の逆行列を計算すると
したがって である。積を計算すると、左上と右下の成分は 右上成分は である。これを整理して
よって
}