九州大学 1982年度
理系数学 第4問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 確率、指数・対数
- 解法
- 部分分数分解、期待値、微分による最大最小
- 難易度
- 6 / 10 計算量 6 / 10 目安 —
問題
2,3,⋯⋯,k+1のk個の値をとる確率変数Xの確率分布をP(X=n)=n3−naとするとき,次の(1),(2),(3)に答えよ.
(1) aを定めよ.
(2) Xの期待値(平均値)を求めよ.
(3) Y=4X−logkとするとき,確率変数Yの期待値を最大にするようなkの値を求めよ.
出典:九州大学 1982年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第4問
方針
確率の総和1から a を決めるため、n3−n1 を部分分数分解して和を整理する。期待値では n が掛かるので n2−11 の和になる。(3)は E(Y)=4E(X)−logk を k の関数として表し、実数変数として増減を調べたうえで、自然数 k の最大が k=9 であることを読む。
解答
(1)
n3−n=n(n−1)(n+1) である。部分分数分解すると n3−n1=2(n−1)1−n1+2(n+1)1. したがって
n=2∑k+1n3−n1=n=2∑k+1{2(n−1)1−n1+2(n+1)1}.
この和を整理すると ∑n=2k+1n3−n1=4(k+1)(k+2)k(k+3). 確率の総和が1であるから a⋅4(k+1)(k+2)k(k+3)=1. よって a=k(k+3)4(k+1)(k+2). (2)
期待値は E(X)=∑n=2k+1nn3−na である。分母を整理して E(X)=a∑n=2k+1n2−11. ここで n2−11=21(n−11−n+11) であるから ∑n=2k+1n2−11=4(k+1)(k+2)k(3k+5). したがって E(X)=k(k+3)4(k+1)(k+2)⋅4(k+1)(k+2)k(3k+5) より E(X)=k+33k+5. (3) Y=4X−logk であるから E(Y)=4E(X)−logk. (2)より E(Y)=4⋅k+33k+5−logk. これを整理すると E(Y)=12−k+316−logk. この式を k>0 の関数として考える。微分すると dkdE(Y)=(k+3)216−k1. さらに (k+3)216−k1=−k(k+3)2(k−1)(k−9). したがって 1<k<9 では増加し、k>9 では減少する。自然数 k に対して最大となるのは k=9 のときである。
別解の視点
和はどちらも端の項だけが残る形に整理される。期待値を出した後は、E(Y) が 12−k+316−logk という一変数関数になるので、確率の問題から増減の問題へ切り替えるのがよい。