問題
を正の実数として整式
を考える.すべての正の整数に対しては整数であるとする.このとき,はで割り切れることを示せ.
出典:京都大学 2015年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第5問
方針
文系第5問と同じ構造である。 を で割って余りを定数 とし、整数列 の2階差を調べる。 なら2階差は明示的に となり、0でないまま0に近づく。一方で整数列の2階差は整数なので矛盾する。 別解では1階差を用い、整数列が有限の極限をもつと十分先で一定になることから、余りが残る場合を排除する。
解答
は一次式なので、 を で割ると と書ける。ただし は実数定数であり、 は余りである。
正の整数 に対して とおく。仮定より はすべて整数である。また である。
もし であると仮定する。整数列 の2階差 も整数である。一方、一次式 の2階差は0だから である。
とおくと
である。したがって である。
は正であり、 と仮定しているから、 は0ではない。また分母は で限りなく大きくなるので である。よって十分大きい では となる。しかし は整数であるから、これは矛盾である。
したがって である。ゆえに となり、 は で割り切れる。
別解。1階差だけでも余りを消せる。上と同じく とし、 と仮定する。整数列 の差 も整数である。一方、
であるから、 である。
整数列がある実数に収束するなら、十分大きいところでは同じ整数に固定される。したがって、ある整数 が存在して、十分大きいすべての で となる。すると が十分大きいすべての で成り立つ。しかし右辺は であり、分母が とともに変化するので一定ではない。これは矛盾である。
よって であり、 は で割り切れる。