問題
ををみたす行列(,,,は実数)とし,正の整数に対して
により,を定める.ならばすべてのに対してであることを示せ.
出典:京都大学 2009年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第4問
方針
まずなので,長さ条件からを得る。次にを計算し,を用いて長さ条件を整理すると,つまりまたはに分かれる。の場合はが回転型になるか,少なくとも初期ベクトルの軌道がに留まる。の場合はとなり,2つ進むごとに符号が変わるだけなので長さが保たれる。
解答
とする。初期値は
であるから
である。条件より である。
次に
である。ここでより なので であり, である。を用いると である。左辺を整理すると,より となる。したがって すなわち である。よって である。
まずの場合を考える。より である。一方なので である。もしならであり,
となる。このとき任意のベクトルについて であるから,を掛けても長さは変わらない。したがってすべてので である。 かつの場合は,よりである。このとき
であり,以後も第2成分は0のまま,第1成分はに留まる。よってこの場合も長さは常に1である。
次にの場合を考える。より である。直接計算すると
である。したがって
である。2つ進むごとに符号が変わるだけなので,長さは保たれる。
以上のすべての場合で が成り立つ。