問題
を2次の正方行列とする。列ベクトルに対し、列ベクトルを
によって定める。ある零ベクトルではないについて、3以上の自然数で初めてがと一致するとき、行列は単位行列であることを示せ。
出典:京都大学 2007年度 前期日程 第2次学力試験 理系乙 理系乙 第5問
方針
だけでは、 が全てのベクトルを固定するとは限らない。そこで も で固定されることを使う。最後に が1次独立であることを、最初の帰還時刻が という条件から示す。
解答
仮定より
である。また だから
である。したがって は をともに固定する。
ここで が1次独立であることを示す。もし1次従属なら、 なので、ある実数 を用いて
と書ける。このとき帰納的に である。 であり は実数だから、、または が偶数で である。
なら となり、初めて一致する時刻は1である。 なら となり、初めて一致する時刻は2である。どちらも に反する。よって は1次独立である。
任意の2次列ベクトル は、実数 を用いて
と一意に表せる。したがって
全ての列ベクトルを変えない2次正方行列は単位行列だから、 は単位行列である。