問題
以下の各問にそれぞれ答えよ.
(1) ,とするとき,を求めよ.
(2) 四角形を底面とする四角錐を考える.点は時刻0では頂点にあり,1秒ごとに次の規則に従ってこの四角錐の5つの頂点のいずれかに移動する.
規則:点のあった頂点と1つの辺によって結ばれる頂点の1つに,等しい確率で移動する.
このとき,秒後に点が頂点にある確率を求めよ.
出典:京都大学 2007年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第1問
方針
(1)はまず行列の2乗を直接計算し, という2次の関係式を得る。この関係を繰り返し使えば, をすべて と の一次式に落とせるので,最後に係数を集める。(2)は頂点 にいるか,底面の4頂点のいずれかにいるかだけを区別すればよい。 からは次に必ず底面へ移り,底面の頂点からは3本の辺のうち1本だけが に向かうため, という1本の漸化式に閉じる。定数解を引いて等比数列に直し,初期条件 を代入する。
解答
(1)
まず
である。一方
だから である。これを順に用いると
となる。したがって
である。よって求める行列は
である。
(2)
秒後に点 が頂点 にある確率を とする。初期状態より である。
頂点 は底面の4頂点と辺で結ばれているので, にいる点は次の1秒で必ず 以外へ移る。また,底面の各頂点から出る辺は,頂点 へ向かう1本と,底面上の隣の2頂点へ向かう2本の合計3本である。したがって, 秒後に 以外にいる確率 のうち,次に へ移る確率は であるから を得る。
この漸化式の定数解を とすると より である。よって
となる。したがって
である。ゆえに である。