問題
に対し,辺上に点を,辺上に点を,辺上に点を,頂点とは異なるようにとる.この3点がそれぞれの辺上を動くとき,この3点を頂点とする三角形の重心はどのような範囲を動くか図示せよ.
出典:京都大学 2006年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第5問
方針
点 をそれぞれ辺上の比で表し,三角形 の重心 を の重みで読む。各係数は正で,しかもどれも より小さいことが分かるので,範囲は三角形 の内部から3つの頂点側の小三角形を除いた中央部分になる。逆に,その条件を満たす任意の重みから を選べることを示して,図示した範囲全体が実際に動けることを確認する。
解答
点 の位置ベクトルをそれぞれ とする。 はそれぞれ辺の頂点以外の点なので,
と書ける。ただし である。
三角形 の重心を とすると である。これを の係数で整理すると ただし
である。明らかに であり, より が成り立つ。したがって は三角形 の内部にあり,しかもどの頂点に対応する重みも 以上にはならない。
逆に,三角形 の内部の点 が
と表され,さらに を満たすとする。このとき を満たす を選べる。実際,この区間が空でないことは, と から などが成り立つことで確認できる。そこで とおけば, となり,上の式からこの が実際に重心として得られる。
よって求める範囲は を満たす点 全体である。図示すると,三角形 の各頂点から出る2辺上の三等分点のうち頂点に近い点どうしを結ぶ。これにより各頂点側にできる3つの小三角形を取り除き,残った中央の六角形の内部が求める範囲である。境界は が頂点に近づく極限でしか得られないため含まない。