京都大学 2000年度
文系数学 第5問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 文系
- 分野
- 積分、方程式・不等式
- 解法
- 絶対値の処理、場合分け、範囲評価
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 —
問題
aを実数とする.xの2次方程式x2−ax=2∫01∣t2−at∣dtは0≦x≦1の範囲にいくつの解をもつか.
出典:京都大学 2000年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第5問
方針
右辺の絶対値付き積分を、t(t−a) の符号が変わる位置で a≦0、0<a<1、a≧1 に分けて計算する。得られる方程式 x2−ax−2I(a)=0 は定数項が負なので、非負の解は高々1つである。x=0 で左辺が負、正の根を過ぎると正になるため、区間 [0,1] に解があるかどうかは x=1 での符号 1−a−2I(a)≧0 だけで判定できる。
解答
I(a)=∫01∣t2−at∣dt とおく。t2−at=t(t−a) であるから、[0,1] における符号は a の位置によって変わる。 a≦0 のとき、0≦t≦1 で t−a≧0 なので I(a)=∫01(t2−at)dt=31−2a である。 0<a<1 のとき、0<t<a では t2−at<0、a<t<1 では t2−at>0 である。したがって
I(a)=∫0a(at−t2)dt+∫a1(t2−at)dt=[2at2−31t3]0a+[31t3−2at2]a1=6a3+(31−2a+6a3)=31−2a+3a3
である。 a≧1 のとき、0≦t≦1 で t−a≦0 なので I(a)=∫01(at−t2)dt=2a−31 である。
与えられた方程式は x2−ax−2I(a)=0 である。ここで I(a)>0 だから、2つの根の積は −2I(a)<0 である。したがって実数根は異符号であり、0≦x の範囲に入り得る根はただ1つである。
左辺を f(x)=x2−ax−2I(a) とおくと、f(0)=−2I(a)<0 である。正の根が [0,1] に入るための必要十分条件は f(1)=1−a−2I(a)≧0 である。
各場合でこれを調べる。 a≦0 のとき 1−a−2I(a)=1−a−2(31−2a)=31>0 である。よって解は1個である。 0<a<1 のとき
1−a−2I(a)=1−a−2(31−2a+3a3)=31−32a3
である。したがって 31−32a3≧0 すなわち a3≦21 のとき解は1個であり、それ以外では解をもたない。 a≧1 のとき 1−a−2I(a)=1−a−2(2a−31)=35−2a であり、a≧1 では 35−2a≦−31<0 である。よって解は0個である。
以上をまとめると、0<a<1 で得た境界 a≦1/32 は 1/32<1 であるから、解の個数は
⎩⎨⎧10(a≦321),(a>321)
である。境界 a=1/32 では f(1)=0 なので、x=1 が区間内の解であり、個数は1個である。