問題
a=(1,0,0),b=(cos60∘,sin60∘,0)とする.
(1) 長さ1の空間ベクトルcに対し,cosα=a⋅c,cosβ=b⋅cとおく.このとき次の不等式(*)が成り立つことを示せ.
(*) cos2α−cosαcosβ+cos2β≦43
(2) 不等式(*)を満たす(α,β) (0≦α≦180∘,0≦β≦180∘)の範囲を図示せよ.
出典:京都大学 2000年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第3問
解答
(1)
c=(x,y,z) とおく。∣c∣=1 であるから x2+y2+z2=1 である。
また a=(1,0,0),b=(21,23,0) なので cosα=a⋅c=x であり、cosβ=b⋅c=21x+23y である。したがって
cos2α−cosαcosβ+cos2β=x2−x(21x+23y)+(21x+23y)2=43x2+43y2=43(x2+y2)
である。x2+y2≦x2+y2+z2=1 だから cos2α−cosαcosβ+cos2β≦43 が成り立つ。
(2)
X=cosα,Y=cosβ とおく。求める範囲は −1≦X≦1,−1≦Y≦1,X2−XY+Y2≦43 を X=cosα、Y=cosβ で αβ 平面に移したものである。
境界をより具体的に書く。固定した α に対して、Y について解くと Y2−(cosα)Y+cos2α−43≦0 である。判別式は cos2α−4(cos2α−43)=3sin2α であり、0≦α≦180∘ では sinα≧0 である。よって
2cosα−3sinα≦cosβ≦2cosα+3sinα
すなわち cos(α+60∘)≦cosβ≦cos(α−60∘) である。 0≦β≦180∘ で cosβ は単調減少するから、図示すべき範囲は
∣α−60∘∣≦β≦{α+60∘300∘−α(0≦α≦120∘),(120∘≦α≦180∘)
である。したがって αβ 平面では、4直線
β=60∘−α,β=α−60∘,β=α+60∘,β=300∘−α
で囲まれる部分を描けばよい。頂点は
(0∘,60∘),(60∘,0∘),(180∘,120∘),(120∘,180∘)
である。