京都大学 1996年度
文系数学 第4問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 文系
- 分野
- 積分、微分
- 解法
- 絶対値の処理、微分による最大最小、定積分評価
- 難易度
- 7 / 10 計算量 6 / 10 目安 25分
問題
正の実数aに対し,実数全体で定義される関数g(x)をg(x)=∫−22∣x−t∣(t2−a2)dtで定める.このとき,g(x)が最小値を持つようなaの範囲を求めよ.またaがそのような範囲にあるとき,g(x)の最小値をaを用いて表せ.
出典:京都大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第4問
方針
絶対値を含む積分は,まず x で微分して傾きを調べる。∣x∣>2 では ∣x−t∣ の符号が固定され,g(x) は傾き I=∫−22(t2−a2)dt または −I の一次関数になる。無限遠で下に落ちないための条件から I≧0,すなわち 0<a≦2/3 を得る。範囲内では g′(x)=2x(x2/3−a2) を求め,最小点 x=±3a を代入して最小値を出す。
解答
まず
I=∫−22(t2−a2)dt=[3t3−a2t]−22=316−4a2
とおく。 x>2 のときは ∣x−t∣=x−t であるから,g(x) は x について傾き I の一次関数である。x<−2 のときは ∣x−t∣=t−x であるから,傾きは −I である。したがって I<0 なら,x→∞ または x→−∞ で g(x) はいくらでも小さくなり,最小値をもたない。よって最小値をもつためには I≧0 が必要である。これは 316−4a2≧0 すなわち 0<a≦32 である。
以下,この条件を仮定する。−2<x<2 では,微分して g′(x)=∫−2x(t2−a2)dt−∫x2(t2−a2)dt である。計算すると
g′(x)=2∫−2x(t2−a2)dt−I=2(3x3−a2x+38−2a2)−(316−4a2)=2x(3x2−a2)
である。 0<a≦2/3 なら 3a≦2 なので,臨界点 x=±3a は区間 [−2,2] に入る。g′(x) の符号を見ると,x=−3a と x=3a で最小になり,x=0 では最大になる。また ∣x∣>2 では外側へ向かって下がらないので,これらが全体の最小点である。
最小値を求める。0≦x≦2 では g(x)=∫−2x(x−t)(t2−a2)dt+∫x2(t−x)(t2−a2)dt であり,整理すると g(x)=6x4−a2x2−4a2+8 である。したがって
g(3a)=6(3a)4−a2(3a)2−4a2+8=69a4−3a4−4a2+8=8−4a2−23a4
である。
よって,g(x) が最小値をもつための a の範囲は 0<a≦32 であり,そのときの最小値は 8−4a2−23a4 である。