問題
各成分が0以上の整数である行列で,をみたすものをすべて求めよ.
出典:京都大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第3問
方針
次正方行列 を とおいて扱う。 を成分比較し,すべての成分が0以上の整数であることから,まず対角成分 が0または1に限られることを示す。次に非対角成分の式から, の場合と の場合に分ける。 では , まで絞られ, では上三角・下三角・対角の場合を漏れなく列挙する。
解答
を 次正方行列とし,
とおく。 は0以上の整数である。
まず
であるから, の各成分を比較すると である。
第1式の左辺は非負整数の和であるから,特に である。よって である。同様に第4式から である。
まず の場合を考える。このとき は正の整数である。第2式または第3式より である。ここで であり,他の項はすべて0以上だから でなければならない。したがって であり
を得る。
次に の場合を考える。 なら, は対角行列であり,すでに と分かっている。よって
である。 , の場合は,第2式から である。 は0または1なので,これは に限られる。したがって
である。
同様に , の場合は
である。
以上をまとめると,求める行列は
および
さらに
である。逆に,これらの行列は直接計算によりいずれも を満たす。