過去問データベース 過去問を探す

京都大学 1993年度
理系数学 第6問

問題

をそれぞれ行列の表す1次変換とする.以下では一般に,1次変換の合成を簡単にと記す.また,と書く.

(1) を示せ.ただし,は恒等変換,すなわち任意の点をそれ自身に移す変換である.

(2) 変換は,変換をある順序に並べ替えたものである.後者の5つの変換はそれぞれ前者の5つのどれと等しいか.

(3) 3点を頂点とする三角形をとする.で繰り返し変換して得られるすべての三角形の和集合を図示せよ.

出典:京都大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第6問

方針

(1)は行列を直接掛けて確認する。 が分かると, で繰り返し作られる変換は6個に限られる。(2)はこの関係を使って長い積を短く直す。(3)では6個の変換で三角形 の2つの基準辺の行き先を調べ,原点を共通頂点とする6個の三角形が,6点 を結ぶ六角形を作ることを示す。

解答

(1)

を表す行列をそれぞれ

とおく。直接計算すると

である。したがって である。

また

であり,

なので

である。よって が成り立つ。

(2)

行列を掛けてもよいが,(1)の関係を使うと短く整理できる。 より,次の等式が成り立つ。 したがって,後者の5つは前者の5つと次のように一致する。 (3)

(1),(2)より, を繰り返して得られる変換は の6個である。どの変換も原点を原点へ移すので,三角形 は原点と, の移った2点で決まる。

6個の変換で が移る先を並べると,原点のまわりに次の6点が現れる。

である。得られる6個の三角形は,原点と,この順に隣り合う2点を頂点にもつ三角形である。

したがって求める和集合は,6点 をこの順に結んでできる六角形の内部および周である。図示では,原点を中心に,右,右下,下,左,左上,上の方向へ頂点をもつ六角形を描けばよい。