京都大学 1993年度
理系数学 第4問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 積分、数列
- 解法
- はさみうち、定積分評価、極限計算
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 16〜20分
問題
自然数nに対して,
an=∫01(1+x)−n−1ex2dx
bn=∫01(1+x)−nxex2dx
とおく.
(1) bn≦e⋅∫01(1+x)−ndxが成り立つことを示し,n→∞limbnを求めよ.
(2) n→∞limnanを求めよ.
出典:京都大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験 理系 第4問
方針
(1)は 0≦x≦1 で xex2≦e を使って上から押さえる。右辺の積分は明示的に計算でき,n→∞ で0になる。(2)は重み (1+x)−n−1 が x=0 付近に集中することを使う。下からは ex2≧1,上からは小さい区間で ex2 を1に近く押さえ,残りの区間が n を掛けても消えることを示す。
解答
(1)
0≦x≦1 では x≦1,ex2≦e であるから xex2≦e である。よって bn=∫01(1+x)−nxex2dx≦e∫01(1+x)−ndx が成り立つ。
また n≧2 について
∫01(1+x)−ndx=[−n+1(1+x)−n+1]01=n−11−21−n
である。これは n→∞ で0に近づく。bn≧0 でもあるから,はさみうちにより limn→∞bn=0 である。
(2)
まず
∫01(1+x)−n−1dx=[−n(1+x)−n]01=n1−2−n
である。ex2≧1 より an≧∫01(1+x)−n−1dx=n1−2−n だから nan≧1−2−n であり,下からの極限は少なくとも1である。
上から押さえる。任意の正の数 h を取る。ex2 は x=0 の近くで1に近いので,ある 0<δ<1 を選べば 0≦x≦δ⟹ex2≦1+h となる。この δ を固定する。すると
an=∫0δ(1+x)−n−1ex2dx+∫δ1(1+x)−n−1ex2dx
より
an≦(1+h)∫0δ(1+x)−n−1dx+e∫δ1(1+x)−n−1dx
である。第1項はさらに (1+h)∫01(1+x)−n−1dx=n(1+h)(1−2−n) 以下である。第2項については ∫δ1(1+x)−n−1dx≦(1+δ)−n−1 なので ne∫δ1(1+x)−n−1dx≦ne(1+δ)−n−1→0 である。
したがって十分大きい n では nan は上からほぼ 1+h 以下であり,h は任意に小さくできる。下からの評価と合わせて limn→∞nan=1 である。