北海道大学 2017年度
後期・理系数学 後期 第2問
- 試験区分
- 後期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 三角関数、積分、数と式
- 解法
- 二項定理、定積分評価、微積分の対称性
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 20〜24分
問題
nを自然数とする。
(1) 二項定理を用いて(z+z−1)2nを展開せよ。ただし,zは0でない複素数とする。
(2) z=cosθ+isinθとおき,(1)の展開式を用いて,等式
(2cosθ)2n=2nC0cos(2nθ)+2nC1cos(2(n−1)θ)+⋯⋯
⋯⋯+2nCkcos(2(n−k)θ)+⋯⋯+2nC2ncos(−2nθ)
が成り立つことを示せ。ただし,iは虚数単位である。
(3) 次の等式を示せ。
∫02π(cosθ)2ndθ=22n+1(n!)2(2n)!π
出典:北海道大学 2017年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第2問
方針
(1) は二項定理で (z+z−1)2n を展開し、指数を 2n−2k に整理する。(2) は ∣z∣=1 のとき z−1=z、z+z−1=2cosθ であり、各項の実部が cos(2(n−k)θ) になることを使う。(3) は両辺を積分し、k=n 以外の余弦項の積分が0になることを示す。
解答
(1)
二項定理より (z+z−1)2n=∑k=02n2nCkz2n−k(z−1)k である。指数をまとめると (z+z−1)2n=∑k=02n2nCkz2n−2k となる。
(2)
z=cosθ+isinθ とおくと ∣z∣=1 であり、z−1=cosθ−isinθ である。したがって z+z−1=2cosθ である。また整数 m について、zm の実部は cosmθ である。
(1) の両辺に z=cosθ+isinθ を代入して実部を比較すると
(2cosθ)2n=k=0∑2n2nCkcos(2n−2k)θ
すなわち
(2cosθ)2n=k=0∑2n2nCkcos(2(n−k)θ)
を得る。これは問題の等式である。
(3)
(2) の等式を 0≦θ≦π/2 で積分する。左辺は 22n∫02πcos2nθdθ である。右辺について、k=n のとき
∫02πcos(2(n−k)θ)dθ=[2(n−k)sin(2(n−k)θ)]02π=0
である。k=n のときだけ ∫02π1dθ=2π が残る。したがって
22n∫02πcos2nθdθ=2nCn2π
である。よって
∫02πcos2nθdθ=22n+12nCnπ
であり、2nCn=(2n)!/(n!)2 より
∫02πcos2nθdθ=22n+1(n!)2(2n)!π
である。