北海道大学 2016年度
文系数学 前期 第1問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 文系
- 分野
- 関数、微分
- 解法
- 接線・法線、式変形、対称性の利用
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 16分
問題
a,b,cを実数とし,
f(x)=x3+ax2+bx+c
とおく。曲線C:y=f(x)上に異なる2点P(s,f(s)),Q(t,f(t))がある。
(1) PにおけるCの接線の方程式を求めよ。
(2) PにおけるCの接線とQにおけるCの接線が平行になるための条件をs,t,aの関係式として求めよ。
(3) (2)の条件のもとで,線分PQの中点がC上にあることを示せ。
出典:北海道大学 2016年度 前期日程 第2次学力試験 文系 前期 第1問
方針
(1)は導関数を用いて接線を点傾き式で書く。(2)は2本の接線が平行であることをf′(s)=f′(t)に直し,s=tを使って3(s+t)+2a=0を得る。(3)は中点のx座標をm=(s+t)/2とおき,f(m+d)とf(m−d)の平均を計算して,条件3m+a=0により中点のy座標がf(m)になることを示す。別解では,f(m+X)−f(m)が奇関数になることを利用し,対称な2点の平均が中央の値に戻る構造として説明する。
解答
(1)
f′(x)=3x2+2ax+b である。点P(s,f(s))における接線の傾きはf′(s)=3s2+2as+bなので,接線の方程式は y−f(s)=(3s2+2as+b)(x−s) である。すなわち y=(3s2+2as+b)(x−s)+s3+as2+bs+c である。
(2)
PとQにおける接線が平行であるためには,傾きが等しければよい。したがって f′(s)=f′(t) であり,これは 3s2+2as+b=3t2+2at+b と同値である。整理すると (s−t){3(s+t)+2a}=0 である。P,Qは異なる2点であり,s=tだから 3(s+t)+2a=0 である。
(3)
線分PQの中点のx座標を m=2s+t とおく。また d=2s−t とおくと,s=m+d,t=m−dである。(2)の条件から 3(s+t)+2a=0 なので 3m+a=0 である。
中点のy座標は 2f(s)+f(t)=2f(m+d)+f(m−d) である。ここで
2f(m+d)+f(m−d)=m3+3md2+a(m2+d2)+bm+c=f(m)+(3m+a)d2
である。ところが3m+a=0だから 2f(s)+f(t)=f(m) である。したがって線分PQの中点は (m,f(m)) であり,これは曲線C上の点である。
別解。(3)だけを別の見方で示す。中点を m=2s+t,d=2s−t とおく。平行条件は 0=f′(m+d)−f′(m−d)=2d(6m+2a) である。P=Qよりd=0だから 3m+a=0 を得る。
ここで G(X)=f(m+X)−f(m) とおくと,展開により G(X)=X3+(3m+a)X2+f′(m)X である。いま3m+a=0なので G(X)=X3+f′(m)X となり,G(X)は奇関数である。したがって G(d)+G(−d)=0 であり,これは f(m+d)+f(m−d)=2f(m) を意味する。よって線分PQの中点の座標は(m,f(m))で,曲線C上にある。