北海道大学 2013年度
後期・理系数学 後期 第2問
- 試験区分
- 後期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 行列(問題が明示的に行列を扱う場合、または出題範囲が許す場合のみ)
- 解法
- 式変形、恒等式比較、文字消去
- 難易度
- 6 / 10 計算量 6 / 10 目安 —
問題
2×2行列AとBがAB=BAをみたすとき,AとBは交換可能であるという。
(1) AとBが交換可能ならば,ABとBは交換可能であることを示せ。
(2) 行列X,C,Eを
X=(acbd),C=(1320),E=(1001)
と定める。ただし,a,b,c,dは実数とする。XとCが交換可能のとき,Xは実数α,βを用いてαC+βEと表されることを示せ。
(3) 上の行列Cに対して,次の3条件を同時にみたす2×2行列Yをすべて求めよ。
(a) YとCは交換可能。
(b) CY=tYをみたす実数tがある。
(c) Yの(2,2)成分は1である。
出典:北海道大学 2013年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第2問
方針
(1) は結合法則を用いて、AB)B と B(AB) が同じ積に変形できることを示す。(2) は一般の2次正方行列を置いて XC=CX を成分比較し、C と単位行列 E の一次結合になることを確認する。(3) はその形を使って係数比較する。
解答
(1) AB=BA とする。このとき (AB)B=A(BB)=AB2 である。一方、B(AB)=(BA)B=(AB)B=AB2 である。したがって (AB)B=B(AB) となり、AB と B は交換可能である。
(2)
X=(acbd)
とおく。C=(1320) であるから
XC=(a+3bc+3d2a2c),CX=(a+2c3ab+2d3b)
である。 XC=CX より成分を比較すると、3b=2c,2a=b+2d,c+3d=3a を得る。第1式から b=32c であり、第3式から a=31c+d である。よって
X=(d+31cc32cd)=3c(1320)+d(1001)
である。
したがって X=αC+βE と表せる。ただし α=c/3, β=d である。
(3) Y は C と交換可能なので、(2) より Y=αC+βE と表せる。Y の (2,2) 成分が 1 であり、C の (2,2) 成分は 0、E の (2,2) 成分は 1 だから β=1 である。したがって Y=αC+E である。
ここで
C2=(1320)2=(7326)=C+6E
である。条件 CY=tY より C(αC+E)=t(αC+E) である。左辺は αC2+C=α(C+6E)+C=(α+1)C+6αE である。よって (α+1)C+6αE=tαC+tE となる。C と E は一次独立なので、係数比較により α+1=tα,6α=t である。これより α+1=6α2 すなわち 6α2−α−1=0 である。したがって α=21,−31 である。
よって
Y=21C+E=(232311)
または
Y=−31C+E=(32−1−321)
である。