北海道大学 2011年度
理系数学 前期 第5問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 積分、三角関数、微分
- 解法
- 微積分の対称性、範囲評価、定積分評価
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 22分
問題
0<a<2πとする.0<x<2πに対してF(x)=∫xx+a1−cosθdθと定める.
(1) F′(x)を求めよ.
(2) F′(x)≦0となるxの範囲を求めよ.
(3) F(x)の極大値および極小値を求めよ.
出典:北海道大学 2011年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第5問
方針
(1) は積分の上端・下端がともに x で動くので、上端の integrand から下端の integrand を引く。(2) は平方根が非負であることから、F′(x)≦0 を cos(x+a)≧cosx に直し、差積公式で符号を調べる。(3) は増減から極大点・極小点を決め、1−cosheta=2∣sin(heta/2)∣ を用いて、それぞれ π 中心、2π 中心の対称区間の積分を計算する。
解答
(1)
h(θ)=1−cosθ とおくと F(x)=∫xx+ah(θ)dθ である。上端と下端がともに x によって動くので、F′(x)=h(x+a)−h(x) である。したがって F′(x)=1−cos(x+a)−1−cosx である。
(2)
平方根の中身は非負であるから、F′(x)≦0 は 1−cos(x+a)≦1−cosx と同値であり、さらに 1−cos(x+a)≦1−cosx すなわち cos(x+a)≧cosx と同値である。
差積公式を使うと cos(x+a)−cosx=−2sin(x+2a)sin2a である。0<a<2π だから sin2a>0 である。よって F′(x)≦0 となる条件は sin(x+2a)≦0 である。
0<x<2π では 2a<x+2a<2π+2a であり、この範囲で正弦が0以下になるのは π≦x+2a≦2π のときである。したがって π−2a≦x≦2π−2a である。
(3)
(2)より、F(x) は 0<x<π−2a で増加し、π−2a<x<2π−2a で減少し、さらに 2π−2a<x<2π で増加する。したがって極大となるのは x=π−2a であり、極小となるのは x=2π−2a である。
ここで 1−cosθ=2sin22θ より 1−cosθ=2∣sin2θ∣ である。
極大値は
F(π−2a)=∫π−a/2π+a/22sin2θdθ
である。この区間は (0,2π) に含まれるので、sin(θ/2) は非負である。よって
F(π−2a)=2[−2cos2θ]π−a/2π+a/2=42sin4a
である。
極小値は
F(2π−2a)=∫2π−a/22π+a/22∣sin2θ∣dθ
である。2π を境に絶対値の符号が変わるので、対称性から
F(2π−2a)=2∫2π−a/22π2sin2θdθ
である。したがって
F(2π−2a)=22[−2cos2θ]2π−a/22π=42(1−cos4a)
である。
よって極大値は 42sin4a 極小値は 42(1−cos4a) である。