問題
行列について,以下の3つの条件を考える.
(i)
(ii)
(iii) ある自然数に対して
このとき,次の問いに答えよ.
(1) (i)ならば(ii)であることを示せ.
(2) (iii)ならばであることを示せ.
(3) (iii)ならば(i)であることを示せ.
出典:北海道大学 2011年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第2問
方針
(1) は を成分計算し、 と を代入して零行列になることを示す。(2) は2次行列の行列式が積で掛け合わされることを使い、 なら と見る。(3) は (2) で を得たうえで、直接計算から を導く。これを帰納的に使い、 となるには でない限り が必要であることを示す。
解答
(1)
直接計算すると
である。
(i)より である。 であり、 だから である。したがって であり、さらに である。よってすべての成分が0となり、 である。
(2)
2次正方行列
について、成分を直接計算すると が成り立つ。したがって である。
いま (iii) より、ある自然数 に対して である。零行列の行列式は0だから である。よって である。
(3)
(2)より である。この条件のもとで をもう一度見ると、 だから
である。
もし なら、もちろん かつ であり、(i) が成り立つ。以下では とする。
から、帰納的に が成り立つ。実際、 で成り立つとすれば である。
(iii)より、ある自然数 で である。 なので、上の式から となる。したがって である。これと (2) の を合わせると (i) が成り立つ。