問題
次の連立不等式の表す領域をとする.
(1) 領域を図示せよ.
(2) 点がこの領域を動くとき,の最大値と最小値を求めよ.また,,を与えるの点を求めよ.
(3) を実数とする.点が領域を動くとき,が点で最大値をとるようなの範囲を求めよ.
方針
まず円と2直線の交点をすべて出し,領域の境界を確定する。一次式の最大・最小は,円板全体での候補と,領域で切り取られた直線境界・円弧端点を比較する。最後は における有効制約の外向き法線を使い,目的関数の係数ベクトルが法線錐に入る条件を求める。
解答
(1) 領域 は で表される半径5,中心原点の円の内部で,さらに を満たす点の集合である。2直線 で平面を分けたとき,積が0以下になるのは2直線の間の部分である。
2直線の交点は より である。円との交点を求めると, については より したがって であり,交点は である。また については より であり,交点は である。
したがって は,円 の内部のうち,2直線で挟まれた部分であり,境界上の主要な点は である。
(2) の最大値を考える。円板 上で,ベクトル 方向の一次式 は,点 で最大値 をとる。この点は を満たし,2直線の間にあるので に含まれる。よって最大値は である。
次に最小値を調べる。円板全体での最小点は だが,これは には含まれない。そこで の境界を調べる。
直線 上では,境界部分は であり, である。これは が大きいほど小さくなるので, で最小となり,値は である。
直線 上の境界部分は であり, である。この最小値は のとき である。円弧上でも, に含まれる部分の端点を含めて上の候補より小さくならない。実際,円板全体の最小点が領域外であるため,円弧上の最小候補は端点に移り,端点での値は で , で5, で である。
したがって最小値は であり,点 でとる。
(3) 点 で が最大値をとる条件を考える。この点は円 と直線 の交点であり,もう一方の直線 上にはない。
最大化する一次式の係数ベクトルは である。点 で最大となるには,このベクトルがその点での外向き法線方向の非負結合で表されればよい。円の外向き法線は であり,直線 に対して,領域側は なので外向き法線は である。したがって と表せることが条件である。
成分を比較すると 第1式から であり, より このとき であるから よって求める範囲は である。