北海道大学 2008年度
理系数学 前期 第5問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 積分、関数
- 解法
- 文字消去、定積分評価、必要十分条件
- 難易度
- 6 / 10 計算量 4 / 10 目安 —
問題
関数f(x)とg(x)を0≦x≦1の範囲で定義された連続関数とする.
(1) f(x)=∫01ex+tf(t)dtを満たすf(x)は定数関数f(x)=0のみであることを示せ.
(2) g(x)=∫01ex+tg(t)dt+xを満たすg(x)を求めよ.
出典:北海道大学 2008年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第5問
方針
積分核 ex+t が exet に分離できることに注目し,∫01etf(t)dt や ∫01etg(t)dt を定数として置く。すると未知関数は ex の定数倍,またはそれに x を加えた形に限られる。最後にその定数を定義式へ戻して一次方程式を解き,得た関数が実際に条件を満たすことまで確認する。
解答
(1)
I=∫01etf(t)dt とおく。与えられた式は f(x)=∫01ex+tf(t)dt=ex∫01etf(t)dt であるから f(x)=exI である。
この式を I の定義に代入すると I=∫01etetIdt=I∫01e2tdt である。ここで ∫01e2tdt=[21e2t]01=2e2−1 だから I=I2e2−1 である。すなわち I(1−2e2−1)=0 である。e>2 より (e2−1)/2>1 なので,括弧内は0ではない。したがって I=0 であり,f(x)=exI=0 である。よって条件を満たす f(x) は定数関数 f(x)=0 のみである。
(2)
K=∫01etg(t)dt とおく。与えられた式から g(x)=∫01ex+tg(t)dt+x=exK+x である。
この式を K の定義に代入すると K=∫01et(etK+t)dt=K∫01e2tdt+∫01tetdt である。すでに ∫01e2tdt=2e2−1 である。また部分積分により ∫01tetdt=[tet]01−∫01etdt=e−(e−1)=1 である。
したがって K=K2e2−1+1 となる。これを解くと K(1−2e2−1)=1 すなわち K23−e2=1 であるから K=3−e22 である。よって g(x)=x+3−e22ex を得る。
最後に確認すると,この g に対して ∫01etg(t)dt=K となるように K を定めているので,∫01ex+tg(t)dt+x=exK+x=g(x) が成り立つ。したがって求める関数は g(x)=x+3−e22ex である。