北海道大学 2008年度
後期・理系数学 後期 第3問
- 試験区分
- 後期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 積分、関数
- 解法
- 置換積分、極限計算、文字消去
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 —
問題
右図のように水深hが一定勾配で浅くなる海がある.位置xにおける水深はh(x)=h0−axで与えられる.ただし,a>0,h0>0とする.時刻t=0のとき,位置x=0で津波が発生した.時刻tでの津波の進行速度dtdxはgh(x)に等しいことが知られている.ここでgは正の定数である.津波が位置xに到達する時刻をt(x)とする.
(1) dxdtをxで表せ.
(2) 津波が水深h=dとなる位置に到達する時刻TdおよびT=d→0limTdを求めよ.ただし,dは0<d<h0とする.また時刻2Tでの津波の位置の座標を求めよ.
出典:北海道大学 2008年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第3問
方針
速度 dx/dt が与えられているので,(1)は正の速度の逆数を取って dt/dx を求める。(2)では水深 d となる位置を h0−ax=d から求め,到達時刻を x に関する積分で計算する。半分の時刻の位置は,得られた t(x) に T/2 を代入して戻す。別解として,水深 h を時刻の関数として扱い,dh/dt が一定になることを使っても同じ結果が出る。
解答
(1)
問題文より dtdx=g(h0−ax) である。津波が進む範囲では h0−ax>0 なので速度は正であり,逆数を取って dxdt=g(h0−ax)1 である。
(2)
水深が d となる位置は h0−ax=d を満たすので x=ah0−d である。したがって,その位置に到達する時刻 Td は Td=∫0(h0−d)/ag(h0−ax)dx である。
積分の原始関数を明示して求めると Td=g1∫0(h0−d)/a(h0−ax)−1/2dx であり,u=h0−ax と見れば ∫(h0−ax)−1/2dx=−a2h0−ax である。よって Td=g1[−a2h0−ax]0(h0−d)/a となる。上端では h0−ax=d,下端では h0−ax=h0 だから Td=ag2(h0−d) である。
したがって T=limd→0Td=ag2h0 である。
次に,位置 x への到達時刻を t(x)=∫0xg(h0−au)du と書くと,上と同じ計算により t(x)=ag2{h0−h0−ax} である。時刻 T/2 では t(x)=2T=agh0 だから
ag2{h0−h0−ax}=agh0
である。両辺に ag を掛けて 2{h0−h0−ax}=h0 となるので h0−ax=2h0 である。したがって h0−ax=4h0 となり,求める位置は x=4a3h0 である。
別解。水深 h=h0−ax を時刻 t の関数と見る。すると dtdh=−adtdx=−agh である。h>0 の間は
となる。よって h=h0−2agt である。水深が d になる時刻は d=h0−2agTd を解いて Td=ag2(h0−d) であり,d→0 とすれば同じ T を得る。また t=T/2 では h=2h0 だから h=h0/4,すなわち h0−ax=h0/4 となり,やはり x=4a3h0 である。