北海道大学 2008年度
後期・理系数学 後期 第1問
- 試験区分
- 後期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 行列(問題が明示的に行列を扱う場合、または出題範囲が許す場合のみ)
- 解法
- 文字消去、場合分け、必要十分条件
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 —
問題
2次正方行列A,E,Oを
A=(10a2),E=(1001),O=(0000)
とする.ただし,aは実数とする.
(1) AX−XA=Oとなる2次正方行列Xに対して,X=sE+tAとなる実数s,tが存在することを示せ.
(2) 1と異なる数kと0と異なる2次正方行列Yが,AY−kYA=Oを満たすとする.このようなkとYをすべて求めよ.
出典:北海道大学 2008年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第1問
方針
どちらも一般の2次行列を成分で置いて直接計算する。(1)では AX−XA=O から w=0,v=a(z−u) を得て,その形が sE+tA と一致するように s,t を選ぶ。(2)では AY−kYA=O の4本の成分方程式を立て,k=2 と k=2 に分ける。さらに問題文で k=1,Y=O が指定されているため,零行列しか出ない場合を除外する。
解答
(1)
X=(uwvz)
とおく。積を順に展開すると
AX=(10a2)(uwvz)=(u+aw2wv+az2z)
であり,
XA=(uwvz)(10a2)=(uwau+2vaw+2z)
である。したがって
AX−XA=(awwaz−au−v−aw)
である。
これが零行列であるから w=0,v=a(z−u) である。よって
X=(u0a(z−u)z)
と書ける。
ここで t=z−u,s=2u−z とおくと
sE+tA=s(1001)+t(10a2)=(s+t0tas+2t)
である。上の s,t を代入すると s+t=(2u−z)+(z−u)=u, ta=a(z−u), s+2t=(2u−z)+2(z−u)=z だから sE+tA=X である。よって示された。
(2)
Y=(uwvz)
とおく。AY と kYA の各成分を比較すると AY−kYA=O は次の4本の式と同値である。 (1−k)u+aw=0, (1−2k)v+az−kau=0, (2−k)w=0, −kaw+2(1−k)z=0. まず k=2 とする。このとき第1式から −u+aw=0 なので u=aw である。また第4式から −2aw−2z=0 なので z=−aw である。第2式は −3v+az−2au=0 であり,上の u,z を代入すると −3v−a2w−2a2w=0 だから v=−a2w である。したがって
Y=w(a1−a2−a)
である。Y=O であるためには w=0 が必要であり,このとき確かに非零行列になる。
次に k=2 とする。第3式より w=0 である。問題文より k=1 でもあるから,第1式と第4式から u=0,z=0 である。すると第2式は (1−2k)v=0 となる。非零行列 Y を得るには v=0 でなければならないので 1−2k=0 すなわち k=21 である。このとき
Y=(00v0)(v=0)
がすべての解である。
以上より,求める組は
k=2,Y=w(a1−a2−a)(w=0)
または
k=21,Y=(00v0)(v=0)
である。