問題
実数,,,を定数とする.行列の定める座標平面上の点の移動を考える.
(1) 実数,,を定数とする.実数が動くとき,点がによる移動で移される点の軌跡は,ある1点か,またはある1つの直線になることを示せ.
(2) 直線上の異なる2点が,による移動で原点を通らない直線上の異なる2点に移るならば,は逆行列をもつことを示せ.
出典:北海道大学 2007年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第4問
方針
(1)は点 に行列を掛け,像の座標が の一次式で表されることを確認する。 の係数ベクトルが零なら1点,零でなければ直線である。(2)は直線 上の点 の像を と書く。異なる2点が異なる2点に移るので 。もし逆行列をもたなければ2つの列ベクトルが従属し,像の直線が原点を通ることになって仮定に反する。
解答
(1)
点 を列ベクトルで表し,行列 を掛けると
である。
ここで の係数ベクトル が なら,像は によらず1点である。そうでないなら,像は
と表されるので,1つの直線上を動く。よって像の軌跡は,ある1点またはある1つの直線である。
(2)
直線 上の点を とおく。この点の像は
である。異なる2点が異なる2点に移るので,方向ベクトル は零ベクトルではない。
ここで,もし が逆行列をもたないと仮定する。このとき である。 だから,列ベクトル は の実数倍である。すなわち,ある実数 を用いて と書ける。
すると直線 の像は で表される。 とすれば像は原点になるので,この像の直線は原点を通る。これは,像が原点を通らない直線上の異なる2点に移るという仮定に反する。
したがって は逆行列をもつ。