北海道大学 2005年度
理系数学 前期 第2問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 行列(問題が明示的に行列を扱う場合、または出題範囲が許す場合のみ)、数列、三角関数
- 解法
- 漸化式の変形、三角比の利用、極限計算
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 —
問題
x,yは−2π≦x≦2π,−2π≦y≦2πを満たすとする.数列{an}および{bn}を次で定める.
(a1b1)=(10),(an+1bn+1)=(cosx+cosy−sinx+sinysinx−sinycosx+cosy)(anbn)(n=1,2,⋯)
(1) cn=an2+bn2 (n=1,2,⋯)を求めよ.
(2) (1)のcnに対して,n→∞limcn=0となるような(x,y)の範囲を図示せよ.
出典:北海道大学 2005年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第2問
方針
行列の形は、平面上のベクトルを回転しながら一定倍率で伸縮する形になっている。そこで A=cosx+cosy、B=sinx−siny とおき、an+12+bn+12 を直接展開して交差項が消えることを見る。倍率 A2+B2 は三角関数の加法定理で 4cos2((x+y)/2) に整理できる。(2)は等比数列の極限条件 0≦q<1 に直し、与えられた正方形領域内で ∣x+y∣>2π/3 となる2つの三角形領域を図示する。
解答
(1)
A=cosx+cosy,B=sinx−siny とおく。漸化式は an+1=Aan+Bbn,bn+1=−Ban+Abn と書ける。したがって
cn+1=an+12+bn+12=(Aan+Bbn)2+(−Ban+Abn)2=(A2+B2)an2+(A2+B2)bn2=(A2+B2)cn
である。途中で 2ABanbn と −2ABanbn が打ち消し合う。
次に倍率を計算する。
A2+B2=(cosx+cosy)2+(sinx−siny)2=cos2x+sin2x+cos2y+sin2y+2cosxcosy−2sinxsiny=2+2cos(x+y)=4cos22x+y
である。また (a1,b1)=(1,0) より c1=1 である。よって cn=(4cos22x+y)n−1 である。
(2)
(1)より、cn は公比 q=4cos22x+y の等比数列である。常に q≧0 だから limn→∞cn=0 となる条件は 0≦q<1 すなわち 4cos22x+y<1 である。
与えられた範囲では −π≦x+y≦π であるから −2π≦2x+y≦2π となり、この範囲では cos((x+y)/2)≧0 である。したがって 4cos22x+y<1 は cos2x+y<21 と同値である。−π/2≦(x+y)/2≦π/2 でこれが成り立つのは 2x+y>3π のときである。よって求める範囲は x+y>32πまたはx+y<−32π を満たす部分である。
ただし、もとの領域は
−2π≦x≦2π,−2π≦y≦2π
である。したがって図示すると、この正方形の中で、境界直線 x+y=32π,x+y=−32π を含まない、右上と左下の2つの三角形領域である。
別解。
zn=an+ibn とおくと、漸化式は zn+1=(A−iB)zn と書ける。したがって ∣zn+1∣2=∣A−iB∣2∣zn∣2=(A2+B2)∣zn∣2 である。ここで ∣zn∣2=an2+bn2=cn なので、解法1と同じく cn+1=4cos22x+ycn を得る。