問題
をを満たす整数の組のなす集合とする.であるの要素を「レベル0である」という.次の操作Gを考える.
操作G: レベル0でないの要素から新たなの要素を作る.ここではをで割った余りであり,はである.
この操作をに回繰り返してレベル0になるとき,は「レベルである」という.0以上のに対して,レベルのの要素のうち,が最小になるものを「レベルの最小組」という.
(1) について,レベルの最小組をすべて求めよ.それらが操作Gの繰り返しで,どのようにレベル0になるかを書け.
(2) 操作Gを1回行うことによりが得られるようなの要素をすべて求めよ.
(3) とする.をレベルの最小組とする.をレベルの組とすれば,となることをについての数学的帰納法を用いて示せ.
(4) (3)により,各に対し,レベルの最小組がただ1つ定まることがわかる.この組をと表すとき,,であることを示せ.
方針
操作Gはユークリッドの互除法であり、1回前の組は割り算の商を使って と表せる。(1) は低いレベルを直接たどり、(2) で一般の逆像を求める。(3) は数学的帰納法で、レベル の最小組 からレベル の候補 を作る。任意のレベル の組は、1回操作するとレベル の組になるので、その第2成分が 以上であることから第1成分の下限が出る。(4) はこの最小候補が実際に最小であることを確認して、フィボナッチ型の漸化式を得る。
解答
(1)
レベル0の組は であり、 だから、 が最小になるものは である。
レベル1の組は、1回の操作Gでレベル0になる組である。 から操作Gで が得られるには、 を で割った余りが でなければならない。 なので、 を最小にするには である。実際、 である。
レベル2の最小組は、1回の操作でレベル1の最小組 へ移るもののうち、 が最小のものである。 から が得られるには 、かつ を で割った余りが でなければならない。 で最小なのは である。したがって である。
以上より、レベル の最小組はそれぞれ である。
(2)
操作Gを1回行って が得られるとする。もとの組を とすれば、操作Gの定義から である。したがって である。また は を で割った余りなので、ある整数 を用いて と表される。
もとの組は の要素なので でなければならない。 より である。 のときは でよく、 のときは が必要なので である。したがって求める組は であり、 である。
(3)
数学的帰納法で示す。 のとき、レベル1の最小組は である。任意のレベル1の組 はレベル0ではないので であり、整数だから である。よって主張は成り立つ。
次に、レベル で主張が成り立つと仮定する。レベル の最小組を とする。任意のレベル の組 に操作Gを1回行うと、あるレベル の組 が得られる。ここで はレベル の組であるから、レベル の最小組の定義より、その第2成分は である。
一方、(2) より、 へ1回で移る組のうち が最小のものは である。したがってレベル の最小組の第1成分は である。上で示したように、任意のレベル の組の第1成分 は 以上であるから、レベル でも主張が成り立つ。
よってすべての について、レベル の最小組を とすると、任意のレベル の組 に対して が成り立つ。
(4)
レベル の最小組を とする。レベル の組で、1回の操作により へ移るものは、(2) より である。このうち が最小になるのは のときであり、その組は である。
(3) により、レベル の最小組の第1成分はこれより小さくなれない。また、上の組は実際にレベル である。したがって である。すなわち である。