問題
行列は,ある自然数についてを満たすとする.
(1) を示せ.
(2) を示せ.
ただしは零行列を表す.
出典:北海道大学 2003年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第4問
方針
(1)は、もし なら が逆行列をもち、その累乗 も逆行列をもつため、零行列になることと矛盾する。(2)では2次行列について直接計算できる恒等式 を使う。(1)から なので となる。 は明らかであり、 ならこの式を繰り返して とし、 から を導く。
解答
(1)
もし であると仮定する。このとき行列 は逆行列をもつ。すると も逆行列をもち、その逆行列は である。
しかし問題の仮定では である。零行列 は逆行列をもたないので、これは矛盾である。したがって である。
(2)
まず2次行列の恒等式を直接確認する。 を単位行列とすると、 が成り立つ。実際、
であり、
だから、差を取ると
である。
(1)より であるから
を得る。
ここで なら、ただちに である。以下、 とする。
(1)から帰納的に が成り立つ。実際、 では明らかであり、 で成り立つなら である。
特に仮定の自然数 について である。 かつ なので、 でなければならない。したがって である。
これを(1)に代入すると である。