北海道大学 2000年度
理系数学 前期 第4問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 指数・対数、積分、微分
- 解法
- 微分による最大最小、定積分評価、逆算
- 難易度
- 7 / 10 計算量 6 / 10 目安 22〜26分
問題
次の問いに答えよ.
(1) 方程式Aex−x=0が0<x<3の範囲で異なる2つの解をもつための実数Aの範囲を求めよ.ただしe=2.71⋯は自然対数の底である.
(2) 定積分∫02πetcostdtの値を求めよ.
(3) logf(x)=x−3+2∫02πf(t)costdt,f(0)<1をみたす関数f(x)が2つ存在することを示せ.ただし,logは自然対数とする.
出典:北海道大学 2000年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第4問
方針
(1)は方程式を A=xe−x と直し、0<x<3 での関数 xe−x の増減と端点値を見る。(2)は ∫etcostdt を部分積分または既知公式で求める。(3)では積分部分を定数 I とおくと logf(x)=x+ext定数 なので f(x)=Cex となる。これを積分条件へ戻すと xe−x=A 型の方程式になり、(1)の結果から2つの定数 C が存在することを示す。
解答
(1)
方程式 Aex−x=0 は、ex>0 より A=xe−x と同値である。そこで h(x)=xe−x とおく。すると h′(x)=e−x(1−x) であるから、h(x) は 0<x<1 で増加し、1<x<3 で減少する。最大値は h(1)=e1 である。また limx→0+h(x)=0,h(3)=e33 である。
したがって、0<x<3 に異なる2つの解をもつためには、水平線 y=A が増加部分と減少部分の両方で1回ずつ交わる必要がある。x=3 は範囲に含まれないので、条件は e33<A<e1 である。
(2)
∫etcostdt=2et(sint+cost) である。したがって
∫0π/2etcostdt=[2et(sint+cost)]0π/2
=2eπ/2−21=2eπ/2−1 である。
(3)
I=∫0π/2f(t)costdt とおく。与えられた式は logf(x)=x−3+2I である。右辺は x に関して x と定数の和なので、ある正の定数 C を用いて f(x)=Cex と書ける。このとき f(0)=C であるから、条件 f(0)<1 は 0<C<1 である。
(2)より I=C∫0π/2etcostdt=C⋅2eπ/2−1 である。これを logf(x)=x−3+2I の定数部分に戻すと logC=−3+C(eπ/2−1) が必要十分条件である。
ここで X=C(eπ/2−1) とおくと、C=X/(eπ/2−1) であり、上式は logX−log(eπ/2−1)=−3+X となる。整理すると Xe−X=e3eπ/2−1 である。
(1)を使うために A=e3eπ/2−1 とおく。π/2>3/2 かつ e>2.7 より eπ/2>e3/2>4 であるから eπ/2−1>3 である。また π/2<2 より eπ/2<e2 なので eπ/2−1<e2 である。したがって e33<e3eπ/2−1<e1 である。
よって(1)より、方程式 Xe−X=A は 0<X<3 に異なる2つの解をもつ。さらに eπ/2−1>3 なので、各解について 0<C=eπ/2−1X<1 である。したがって条件を満たす関数 f(x)=Cex が2つ存在する。