北海道大学 2000年度
後期・理系数学 後期 第3問
- 試験区分
- 後期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 三角関数、積分、微分
- 解法
- 絶対値の処理、定積分評価、微分による最大最小
- 難易度
- 7 / 10 計算量 7 / 10 目安 —
問題
正の実数aに対して
F(a)=∫−aasinx+2asinx−2adx
とおくとき,F(a)の最大値と最小値,および,それらを与えるaの値を求めよ.
出典:北海道大学 2000年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第3問
方針
絶対値の中身が符号を変える点は x=−a/2 と x=a/2 である。積分区間を3つに分け、左右の外側は偶関数性でまとめると計算量を抑えられる。積和公式で F(a)=sina−21sin2a=sina(1−cosa) まで落とし、最後は周期性を踏まえて最大値・最小値を与えるすべての正の a を列挙する。
解答
被積分関数は x を −x に替えると2つの因子が入れ替わるだけなので偶関数である。したがって
F(a)=2∫0asinx+2asinx−2adx
である。0≦x≦a/2 では
x+2a=x+2a,x−2a=2a−x
であり、a/2≦x≦a では x−2a=x−2a である。
よって積和公式を用いると
F(a)=2∫0a/2sin(x+2a)sin(2a−x)dx+2∫a/2asin(x+2a)sin(x−2a)dx=∫0a/2{cos2x−cosa}dx+∫a/2a{cosa−cos2x}dx=[21sin2x−xcosa]0a/2+[xcosa−21sin2x]a/2a=(21sina−2acosa)+(2acosa−21sin2a+21sina)=sina−21sin2a=sina(1−cosa)
である。
ここから最大・最小を求める。微分すると F′(a)=cosa−cos2a であり、F′(a)=0 は cosa=cos2a すなわち 2cos2a−cosa−1=0 と同値である。したがって cosa=1またはcosa=−21 である。 F(a)=sina(1−cosa) は周期 2π の連続関数である。1−cosa≧0 なので、正の最大値は sina>0 かつ cosa=−1/2 のとき、負の最小値は sina<0 かつ cosa=−1/2 のときに生じる。よって最大値は 433 で、これを与える a は a=32π+2kπ(k=0,1,2,…) である。最小値は −433 で、これを与える a は a=34π+2kπ(k=0,1,2,…) である。
別解。F(a)=sina(1−cosa) まで得た後、c=cosa とおくと F(a)2=(1−c2)(1−c)2=(1−c)3(1+c) である。さらに u=1−c とおけば 0≦u≦2 で F(a)2=u3(2−u) となる。u3(2−u) の最大は u=3/2、すなわち c=−1/2 のときで、値は 27/16 である。したがって ∣F(a)∣=33/4 となり、sina の符号から上と同じ最大値・最小値および a が得られる。