北海道大学 1996年度
後期・理系数学 後期 第3問
- 試験区分
- 後期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 数列、関数、微分
- 解法
- 漸化式の変形、不等式評価、接線・法線
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 12分
問題
関数f(x)=21(x+x2),(x>0)について次の操作を行う.x1>2とする.直線x=x1が曲線y=f(x)と交わる点をP1とする.P1からx軸に平行に引いた直線が直線y=xと交わる点をQ1とし,Q1からx軸への垂線と曲線y=f(x)の交点をP2とする.点P2のx座標をx2とする.x1からx2を定めたようにx2からx3を定め,以下同じようにx4,x5,⋯⋯を定める.
(1) xnとxn+1 (n=1,2,3,⋯⋯)の関係を漸化式の形で与えよ.
(2) 0≦xn+1−2≦21(xn−2)であることを示し,n→∞limxn=2を証明せよ.
(3) 範囲x>2で定義された関数g(x)のグラフ上の点(t,g(t)),(t>2)における接線がx軸と1点で交わるとし,その交点のx座標をh(t)とする.tとh(t)の関係が(1)で求めたxnとxn+1の関係に等しいとき,関数g(x)の形を求めよ.
出典:北海道大学 1996年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第3問
方針
作図の1段階は、水平移動で直線 y=x に当てた点の座標がそのまま次の x 座標になるので、xn+1=f(xn) と読める。収束は xn+1−2 を (xn−2)2/(2xn) に変形し、誤差が少なくとも半分以下になることを示す。(3)は接線の x 軸切片 h(t)=t−g(t)/g′(t) を(1)の式と同一視し、g′/g を積分して関数形を決める。
解答
(1)
Pn は曲線 y=f(x) 上の点で、x 座標が xn であるから Pn=(xn,f(xn)) である。ここから x 軸に平行な直線を引くと、直線 y=x との交点は Qn=(f(xn),f(xn)) である。さらに Qn から x 軸に垂線を下ろした直線は x=f(xn) であり、曲線との交点の x 座標が xn+1 である。したがって xn+1=f(xn)=21(xn+xn2) である。
(2)
xn>2 とすると、(1)より
xn+1−2=21(xn+xn2)−2=2xnxn2+2−22xn=2xn(xn−2)2
である。したがって xn+1−2≧0 であり、xn+1≧2 である。また xn>2 より 2xn(xn−2)2≦21(xn−2) であるから、0≦xn+1−2≦21(xn−2) が成り立つ。
これを繰り返すと 0≦xn−2≦(21)n−1(x1−2) となる。右辺は n→∞ で 0 に近づくので、はさみうちにより limn→∞xn=2 である。
別解。より強く、un=xn+2xn−2 とおく。xn>2 なので 0<un<1 である。(1)の式から
xn+1−2=2xn(xn−2)2,xn+1+2=2xn(xn+2)2
となるので、un+1=un2 である。したがって un=u12n−1→0 であり、これからも xn→2 が分かる。
(3)
点 (t,g(t)) における接線は y−g(t)=g′(t)(x−t) である。この接線が x 軸と交わる点の x 座標を h(t) とすると、y=0 を代入して 0−g(t)=g′(t)(h(t)−t) である。よって h(t)=t−g′(t)g(t) となる。
この h(t) と t の関係が (1) の xn+1 と xn の関係に等しいので、t−g′(t)g(t)=21(t+t2) である。したがって g′(t)g(t)=2tt2−2 となり、g(t)g′(t)=t2−22t を得る。t>2 であるから t2−2>0 であり、積分して log∣g(t)∣=log(t2−2)+定数 となる。よって g(x)=C(x2−2) である。ただし、接線が x 軸と1点で交わるため C=0 である。