北海道大学 1996年度
後期・理系数学 後期 第1問
- 試験区分
- 後期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 微分、積分、指数・対数
- 解法
- 不等式評価、極限計算、部分積分
- 難易度
- 6 / 10 計算量 4 / 10 目安 9分
問題
範囲x≧0で定義された関数f(x)がx→∞limxf(x)=1を満たすとき,次の問に答えよ.
(1) ex≧1+x+2x2 (x≧0)を示せ.
(2) x→∞limf(x)e−x=0を示せ.
(3) t→∞lim∫0t{f(x)−f′(x)}e−xdx=f(0)を示せ.
出典:北海道大学 1996年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第1問
方針
(1)は ex−1−x−x2/2 の増減を微分で調べる。(2)は f(x)/x→1 から f(x) が高々一次程度であることを使い、(1)の不等式から xe−x→0 を示す。(3)は f(x)e−x の微分が被積分関数の符号違いになっていることを見抜き、部分積分ではなく微分形をそのまま積分する。
解答
(1)
ϕ(x)=ex−1−x−2x2 とおく。すると ϕ′(x)=ex−1−x,ϕ′′(x)=ex−1 である。x≧0 では ex≧1 なので ϕ′′(x)≧0 である。よって ϕ′(x) は x≧0 で単調増加し、ϕ′(0)=0 から ϕ′(x)≧0 である。さらに ϕ(0)=0 なので、ϕ(x)≧0 となる。したがって ex≧1+x+2x2(x≧0) が示された。
(2)
仮定 limx→∞xf(x)=1 より、十分大きい x について ∣f(x)∣≦2x としてよい。一方、(1)より ex≧2x2 であるから、x>0 で xe−x≦x2 である。したがって十分大きい x では ∣f(x)e−x∣≦2xe−x≦x4 となる。右辺は x→∞ で 0 に近づくので、limx→∞f(x)e−x=0 である。
(3)
積の微分を計算すると {f(x)e−x}′=f′(x)e−x−f(x)e−x={f′(x)−f(x)}e−x である。したがって {f(x)−f′(x)}e−x=−{f(x)e−x}′ であり、
∫0t{f(x)−f′(x)}e−xdx=−∫0t{f(x)e−x}′dx=f(0)−f(t)e−t.
(2)より f(t)e−t→0 であるから、limt→∞∫0t{f(x)−f′(x)}e−xdx=f(0) が成り立つ。