北海道大学 1986年度
文系数学 前期 第2問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 文系
- 分野
- 行列(問題が明示的に行列を扱う場合、または出題範囲が許す場合のみ)、三角関数
- 解法
- ベクトル成分計算、回転・拡大、三角比の利用
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 14〜18分
問題
θは−2π<θ<2πを満たす定数とし,X=(0tanθ−tanθ0),E=(1001)とする.このとき(E+X)(E−X)−1で表される1次変換は,原点を中心とする回転であることを示せ.また,その回転角を,θを用いて表せ.
出典:北海道大学 1986年度 前期日程 第2次学力試験 文系 前期 第2問
方針
t=tanθ と置いて、E−X の逆行列を直接計算する。−π/2<θ<π/2 なので t は実数であり、1+t2>0 だから逆行列は常に存在する。積を計算した後、倍角公式 cos2θ=(1−t2)/(1+t2)、sin2θ=2t/(1+t2) に直すと、標準的な回転行列になる。
解答
t=tanθ とおく。−π/2<θ<π/2 であるから t は実数であり、1+t2>0 である。
このとき
E+X=(1t−t1),E−X=(1−tt1)
である。E−X の行列式は 1+t2 であるから、逆行列は
(E−X)−1=1+t21(1t−t1)
である。
したがって
(E+X)(E−X)−1=1+t21(1t−t1)(1t−t1)
である。積を計算すると
(E+X)(E−X)−1=1+t21(1−t22t−2t1−t2)
となる。
ここで t=tanθ だから、倍角公式より 1+t21−t2=cos2θ,1+t22t=sin2θ である。よって
(E+X)(E−X)−1=(cos2θsin2θ−sin2θcos2θ)
である。
これは原点を中心として角 2θ だけ回転する1次変換を表す行列である。したがって求める回転角は 2θ である。