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北海道大学 1984年度
文系数学 前期 第2問

問題

を行列で表される1次変換とする.

(1) 変換が第1象限,すなわち集合,の任意の点を第1象限の点にうつすならば,であることを示せ.

(2) であり,かつ変換とその逆変換がともに第1象限の任意の点を第1象限の点にうつすためのに関する条件を求めよ.

出典:北海道大学 1984年度 前期日程 第2次学力試験 文系 前期 第2問

方針

(1)は第1象限の全ての点で となることから、各係数が負ではありえないことを示す。片方の変数を固定し、もう片方を十分大きくするのが確実である。(2)では の両方に(1)を適用する。逆行列の成分がすべて0以上になる条件を の正負で分けると、正の対角成分だけが残る場合と、正の反対側の成分だけが残る場合に絞られる。

解答

(1)

変換後の点は である。第1象限の任意の点 に対してこの点も第1象限にあるから、常に である。

もし なら、 と固定して を十分大きくすると となり矛盾する。したがって である。もし なら、 と固定して を十分大きくすると となり矛盾する。よって である。

同じ議論を第2成分に用いると、 なら を十分大きくすれば矛盾し、 なら を十分大きくすれば矛盾する。したがって である。

(2)

が第1象限を第1象限へうつすので、(1)より である。 とおくと、 であり、逆変換は

で表される。 も第1象限を第1象限へうつすので、この逆行列の成分もすべて0以上である。

まず の場合を考える。このとき より である。すでに だから である。さらに なので、 と合わせて である。

次に の場合を考える。このとき より である。すでに だから である。すると なので、 と合わせて である。

よって必要条件は または である。

十分性も確認する。前者では であり、逆変換も正の定数で割るだけなので、第1象限は第1象限へうつる。後者では であり、正の定数倍をしながら2つの座標を入れ替えるだけなので、逆変換も同じく第1象限を第1象限へうつす。したがって求める条件は上の2通りである。