問題
を原点とする座標平面上で考える。0以上の整数に対して,ベクトルを
と定める。投げたとき表と裏がどちらもの確率で出るコインを回投げて,座標平面上に点を以下の規則(i),(ii)に従って定める。
(i) はにある。
(ii) を1以上以下の整数とする。が定まったとし,を次のように定める。
● 回目のコイン投げで表が出た場合,
によりを定める。ただし,は1回目から回目までのコイン投げで裏が出た回数とする。
● 回目のコイン投げで裏が出た場合,をと定める。
(1) とする。がにある確率を求めよ。
(2) とする。がにあり,かつ,表が90回,裏が8回出る確率を求めよ。
方針
裏が出るたびに進む方向が次の へ切り替わり、表が出たときだけ移動する。そこで、裏で表の列を区切り、裏がすでに 回出ている間に出る表の回数を とおく。位置ベクトルは であり、 と から、3方向の合計歩数が等しいことが原点復帰の必要十分条件になる。あとは各方向に属するブロックの非負整数解を数える。
解答
裏が合計 回出たとする。裏がすでに 回出ている間に出た表の回数を とおく。ここで であり、 は0以上の整数である。このとき最終位置は で表される。
また
である。3方向ごとの表の回数を
とおくと
である。 と は平行でないので、上のベクトルが になることは と同値である。
(1)
のとき、原点に戻るには表の総数が3の倍数でなければならない。したがって表の回数は または である。
表が0回のときは、5回すべて裏であり、これは1通りである。
表が3回のときは裏が2回である。ブロックは の3個で、原点復帰条件は である。したがって出方は の1通りである。ただし は表、 は裏を表す。
有利な出方は合計 通りである。全事象は 通りなので、求める確率は である。
(2)
表が90回、裏が8回出るとする。このときブロックは の9個である。原点に戻るためには3方向に30回ずつ進む必要があるから である。
それぞれの式について、3個の非負整数の和が30となる解の個数は である。3つの式は互いに別々の変数を含むので、条件を満たす出方は 通りである。
コイン投げ全体の出方は 通りであり、上の数え上げでは表90回・裏8回という条件もすでに満たしている。したがって求める確率は である。