東京大学 2003年度
後期・理系数学 後期 第3問
- 試験区分
- 後期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理科
- 分野
- 数列、論証・証明、方程式・不等式
- 解法
- 漸化式の変形、数学的帰納法、存在証明、一意性証明、不等式評価
- 難易度
- 8 / 10 計算量 6 / 10 目安 35分
問題
(1) an≧2のとき、xn+2−an+1xn+1+xn=0、x0=0,xm=1を満たす数列が一意に存在し、0<xn<1 (1≦n<m)を示せ。
(2) an≧1+b、b>0のとき、yn+2−an+1yn+1+byn=0について同じ主張を示せ。
(3) an≧c>2なら、mによらない0<r<1が存在し、(1)の数列がxn<rm−nを満たすことを示せ。
出典:東京大学 2003年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第3問
方針
境界値問題を直接逆向きに解かず、初期値 u0=0,u1=1 の基本数列を作る。係数条件から基本数列が正で狭義増加するため、un/um が求める唯一の解になる。(3)は隣接項比を、方程式 λ2−cλ+1=0 の大きい根で下から評価する。
解答
(1)
u0=0,u1=1 とし
un+1=anun−un−1(n≧1)
で定める。u2=a1≧2>u1 である。un>un−1>0 なら
un+1≧2un−un−1>un,
だから帰納法により 0<u1<u2<⋯ である。
元の漸化式を満たし x0=0 である数列は、x1 を決めれば一意に定まり、線形性から xn=x1un である。したがって xm=1 とするには
xn=umun
とするほかない。これで存在と一意性が示され、狭義増加性から 0<xn<1 (1≦n<m) も従う。
(2)
v0=0,v1=1 とし
vn+1=anvn−bvn−1
で定める。v2=a1≧1+b>1 であり、vn>vn−1>0 なら
vn+1≧(1+b)vn−bvn−1=vn+b(vn−vn−1)>vn.
よって vn も正で狭義増加する。(1)と同様に
yn=vmvn
が条件を満たす唯一の数列で、0<yn<1 (1≦n<m) である。
(3)
λ=2c+c2−4>1,r=λ−1=2c−c2−4
とおくと 0<r<1 である。(1)の基本数列に対し Rn=un/un−1 (n≧2) とおく。R2=a1≧c>λ である。Rn>λ なら
Rn+1=an−Rn1≧c−Rn1>c−λ1=λ.
したがってすべての n≧2 で Rn>λ である。よって 1≦n<m に対し
unum=Rn+1Rn+2⋯Rm>λm−n.
(1)の xn=un/um を用いると
xn<λ−(m−n)=rm−n.
この r は c だけで決まり、m には依存しない。