東京大学 2002年度
文系数学 第3問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 文科一類・文科二類・文科三類
- 分野
- 微分、積分、関数
- 解法
- 文字消去、微分による最大最小、計算整理、定積分評価
- 難易度
- 6 / 10 計算量 6 / 10 目安 18分
問題
2つの関数
f(x)=ax3+bx2+cx
g(x)=px3+qx2+rx
が次の5つの条件を満たしているとする。
f′(0)=g′(0),f(−1)=−1,f′(−1)=0,g(1)=3,g′(1)=0
ここでf(x),g(x)の導関数をそれぞれf′(x),g′(x)で表している。
このような関数のうちで,定積分
∫−10{f′′(x)}2dx+∫01{g′′(x)}2dx
の値を最小にするようなf(x)とg(x)を求めよ。ただし,f′′(x),g′′(x)はそれぞれf′(x),g′(x)の導関数を表す。
出典:東京大学 2002年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第3問
方針
条件 f′(0)=g′(0) から c=r とおき、残り4条件で a,b,p,q をすべて c で表す。すると f′′(x),g′′(x) も c の一次式になり、与えられた積分は c の2次関数になる。最後は平方完成で最小となる c を決め、係数を戻して f,g を得る。
解答
f′(x)=3ax2+2bx+c,g′(x)=3px2+2qx+r である。条件 f′(0)=g′(0) より c=r である。
まず f について条件を使う。f(−1)=−1 より −a+b−c=−1 であり、f′(−1)=0 より 3a−2b+c=0 である。この2式を解くと a=c−2,b=2c−3 である。
次に g について、g(1)=3 より p+q+c=3 であり、g′(1)=0 より 3p+2q+c=0 である。この2式を解くと p=c−6,q=9−2c である。
したがって f′′(x)=6ax+2b=6(c−2)x+2(2c−3) であり、g′′(x)=6px+2q=6(c−6)x+2(9−2c) である。
ここで積分値を I(c) とおく。まず
∫−10{f′′(x)}2dx=∫−10{6(c−2)x+2(2c−3)}2dx
であり、同様に g′′ も展開して積分すると I(c)=8c2−48c+120 となる。平方完成して I(c)=8(c−3)2+48 である。したがって最小となるのは c=3 のときである。
このとき a=1,b=3,c=3 であり、p=−3,q=3,r=3 である。よって求める関数は f(x)=x3+3x2+3x および g(x)=−3x3+3x2+3x である。
別解。係数を求めたあと、積分値を直接展開せず、f′′ と g′′ がともに一次関数であることを利用して、一次関数 ux+v の二乗積分 ∫(ux+v)2dx の形だけを使って整理してもよい。どちらの方法でも、自由に残るのは c=r だけであることを明確にするのが要点である。