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東京大学 1998年度
後期・理系数学 後期 第3問

問題

白または黒に塗られた頂点と辺からなるグラフに、問題文で定めた次の操作を行う.操作1は1頂点の色を反転して白い新頂点を葉として加える.操作2は1辺の両端の色を反転し、その辺を白い新頂点で2分する.1個の白頂点から有限回の操作で得られるものを可能グラフという.

(1) 図5の、全頂点が白である3頂点の棒状グラフ、4本の葉を持つ星形グラフ、2個の4価頂点を辺で結び各々に3本の葉を付けたグラフが可能であることを示せ.

(2) 全頂点が白である頂点の棒状グラフが可能であるためのの必要十分条件を求めよ.

(図の形状は本文中に記述した。)

出典:東京大学 1998年度 後期日程 第2次学力試験 後期・理系 後期 第3問

方針

(1) 実際の操作列を与える。(2) 十分性はを3ずつ増やす構成で示す。必要性は、各頂点に0または1を置く連立偶奇条件を定め、2種類の操作の前後で解が一対一に対応する不変量を作る。

解答

(1)

3頂点の棒状グラフは、最初の白頂点に操作1を2回続けて施せば得られる。最初の頂点は2回色が反転して白に戻り、新しい2頂点も白である。

4本の葉を持つ星形グラフは、最初の白頂点に操作1を4回施せば得られる。中心は4回反転して白、4個の葉はすべて白である。

最後のグラフは次のように作れる。まず操作1で黒頂点と白頂点を結ぶ。白頂点に操作1を3回施すと、その頂点には白い葉が3本付き、中心と最初の頂点はともに黒になる。この2黒頂点を結ぶ辺に操作2を施すと、両者は白になり、間に白頂点が入る。最後にこの新しい白頂点に操作1を2回施す。すると2つの白い4価頂点が結ばれ、各々に白い葉が3本付いた所要のグラフになる。

(2)

まず十分性を示す。は出発グラフであり、は(1)で構成した。全白の棒状グラフが可能だとする。その端の白頂点に操作1を施し、次に新しくできた端の白頂点に操作1を施す。端には

が並ぶ。2個の黒頂点を結ぶ辺に操作2を施せば、4頂点とも白の棒

となり、頂点数は3増える。従ってならばは可能である。

(2) 必要性

各頂点に数を対応させ、各頂点で

を課す。ただしが白なら、黒ならとする。

操作1で頂点に白い新頂点を加えると、新頂点の式は

すなわちである。これを色が反転したの式に代入すると、反転で増減したが打ち消し合い、操作前のの式に戻る。従って操作前後の解は一対一に対応する。

操作2で辺を白い新頂点で2分すると、新頂点の式は

すなわちである。これを色が反転したの式に代入すると、それぞれ操作前の式に戻る。従ってこの操作でも解は一対一に対応する。

出発グラフでは式はであり、解は零解だけである。従って可能グラフでは上の連立条件に非零解は存在しない。

ところが、全白の棒状グラフでなら、左から

と周期3でを置くと非零解になる。実際、内部では連続する3項の和が偶数で、両端でも隣り合う2項の和が偶数である。これは可能グラフには非零解がないことに反する。

従ってが必要である。十分性と合わせて

が必要十分条件である。