東京大学 1998年度
文系数学 第3問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 文科一類・文科二類・文科三類
- 分野
- 三角関数、数列、場合の数
- 解法
- 場合分け、グラフの概形、数え上げ、帰納的定義の利用
- 難易度
- 6 / 10 計算量 5 / 10 目安 18分
問題
(1) xは0∘≦x≦90∘を満たす角とする。
⎩⎨⎧siny=∣sin4x∣cosy=∣cos4x∣0∘≦y≦90∘
となるyをxで表し,そのグラフをxy平面上に図示せよ。
(2) αは0∘≦α≦90∘を満たす角とする。0∘≦θn≦90∘を満たす角θn,n=1,2,⋯を
⎩⎨⎧θ1=αsinθn+1=∣sin4θn∣cosθn+1=∣cos4θn∣
で定める。kを2以上の整数として,θk=0∘となるαの個数をkで表せ。
出典:東京大学 1998年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第3問
方針
(1)では 4x が 0∘ から 360∘ まで1周するので、sin4x, cos4x の符号が変わる4つの象限に分ける。絶対値を取ることは、角 4x を第1象限の角 y へ折り返す操作である。(2)ではこの折り返し写像を T とし、Tk−1(α)=0∘ となる α の個数を逆向きに数える。通常の点は逆像を4個持つが、端点 0∘ は3個、90∘ は2個しか持たないため、その補正を入れて漸化式を作る。
解答
(1)
0∘≦x≦90∘ なので 0∘≦4x≦360∘ である。y は第1象限の角で、siny, cosy がそれぞれ ∣sin4x∣, ∣cos4x∣ になる角である。したがって 4x を第1象限へ折り返せばよい。
各区間で書くと
y=⎩⎨⎧4x180∘−4x4x−180∘360∘−4x(0∘≦x≦22.5∘),(22.5∘≦x≦45∘),(45∘≦x≦67.5∘),(67.5∘≦x≦90∘)
である。グラフは、点
(0∘,0∘),(22.5∘,90∘),(45∘,0∘),(67.5∘,90∘),(90∘,0∘)
をこの順に直線で結んだ折れ線である。
(2)
(1)で定まる対応を T と書く。T(x)=0∘ となる x は 0∘,45∘,90∘ の3個である。また T(x)=90∘ となる x は 22.5∘,67.5∘ の2個である。さらに 0∘<y<90∘ の点に対しては、4つの区間それぞれに1個ずつ解があるので、T(x)=y の解は4個である。 Tj(α)=0∘ となる α の個数を Nj とする。Tj は T を j 回くり返すことを表す。まず N1=3 である。 j≧1 とする。集合 T−j(0∘) には、常に 0∘ と 90∘ が含まれる。次に1回分逆像を取ると、普通は各点から4個ずつ出る。しかし 0∘ からは3個、90∘ からは2個しか出ない。したがって Nj+1=4Nj−(1+2)=4Nj−3 である。
この漸化式は Nj+1−1=4(Nj−1) と変形できる。N1=3 だから Nj−1=2⋅4j−1 であり、Nj=1+2⋅4j−1 である。
いま θk=0∘ は Tk−1(α)=0∘ と同じである。したがって求める個数は Nk−1=1+2⋅4k−2 である。