問題
平面上の点に対し,正方形を連立不等式
の表す領域として定め,原点との点との距離の最小値をとする。点を中心とする半径1の円周上をが動くとき,の最大値を求めよ。
出典:東京大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第3問
方針
点 は中心 ,半径1の円周上にあるので,正方形 は 方向では常に原点より右側にある。したがって原点に最も近い 座標は で決まる。一方, 方向は なら区間が を含み, なら最も近い 座標が になる。この分岐を , で整理し, では円周上の点と原点の距離, では の最大を比較する。
解答
点 は を満たす。よって である。
正方形 の 座標は を満たす。ここで だから,この区間は正の側にあり,原点に最も近い 座標は である。
一方, 座標は を満たす。 ならこの区間は を含むので,原点に最も近い 座標は である。 なら区間全体が正の側にあるので,原点に最も近い 座標は である。
したがって とおくと, は を満たし,
である。 では二つの式は同じ値を与える。
まず の部分を考える。このとき は原点から円周上の点 までの距離である。円の中心は で,その原点からの距離は
である。したがって三角形の辺の長さの関係より である。等号は,中心から原点と反対方向へ半径1だけ進んだ点 で成り立つ。この点は を満たすので,実際に許される。
次に の部分を考える。このとき である。円周上で とすると より,この部分での の最大値は である。これは を満たす。
以上より, の最大値は である。
別解。 とおくと である。 のとき となる。ここで であり,等号を与える では だから である。よってこの場合の最大値は である。 の場合は で上の値より小さいため,同じ結論を得る。