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東京大学 1996年度
文系数学 第1問

問題

を実数とする。行列

を満たすような実数を求めよ。ただし,

とする。

出典:東京大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第1問

方針

まず行列の積を成分で計算し,零行列になる条件を対角成分と非対角成分に分ける。非対角成分は積の形になり,ここから の二つの場合だけを調べればよいことが分かる。それぞれで残った実数方程式を解き,最後に の境目で解の重複がないように整理する。なお,同じ形の行列を複素数 に対応させると,別解として二次方程式 に直すこともできる。

解答

行列の積は

である。したがって

となる。これが零行列であることは と同値である。

まず の場合を考える。このとき であり, となる。よって実数解をもつのは のときで,そのとき である。

次に の場合を考える。このとき すなわち である。よって実数解をもつのは のときで,そのとき である。

ただし では,前者からも後者からも同じ解 が得られる。したがって求める実数

である。

別解。同じ形の行列

を複素数 に対応させると,行列の加法・乗法は複素数の加法・乗法と同じ形になる。したがって与えられた式は すなわち に対応する。 なら なら なら である。実部と虚部を読むと,上で得た と一致する。