問題
以下の問いに答えよ。
(1) 正の実数と正の整数に対して次の等式が成り立つことを示せ。ただし,は自然対数の底とする。
(2) 正の実数と正の整数に対して次の不等式を示せ。
(3) 不等式
を満たす最小の正の整数を求めよ。必要ならばであることは証明なしに用いてもよい。
出典:東北大学 2021年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第6問
方針
(1) は余り積分 を置き,部分積分により となることを示して帰納法で進める。(2) は で を用いて積分全体をはさむ。(3) は として誤差を余り積分で評価し,上限で が十分,下限で が不十分であることを確認する。
解答
(1)
とおく。まず のとき,部分積分により
である。したがって となり,主張は成り立つ。
次に,ある で が成り立つと仮定する。 を部分積分すると
である。これを1段先の形で書けば である。実際,この等式は を部分積分することで得られる。
したがって仮定式に代入すると
となり, でも成り立つ。よって数学的帰納法により,すべての正の整数 で与えられた等式が成り立つ。
(2)
では である。また なので,両辺に掛けて積分すると
である。ここで
である。よって
が成り立つ。
(3)
(1) を に適用すると
である。この右辺は正なので,絶対値はそのまま外せる。(2) より である。 のとき,下限から なので条件を満たさない。
一方 のとき, を用いると である。したがって条件を満たす最小の正の整数は である。