東北大学 2019年度
理系数学 前期 第4問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 理系
- 分野
- 数と式、三角関数
- 解法
- 恒等式比較、式変形、三角比の利用
- 難易度
- 6 / 10 計算量 6 / 10 目安 —
問題
実数を係数にもつ整式A(x)をx2+1で割った余りとして得られる整式を[A(x)]と表す。
(1) [2x2+x+3],[x5−1],[[2x2+x+3][x5−1]]をそれぞれ求めよ。
(2) 整式A(x),B(x)に対して,次の等式が成り立つことを示せ。
[A(x)B(x)]=[[A(x)][B(x)]]
(3) 実数θに対して,次の等式が成り立つことを示せ。
[(xsinθ+cosθ)2]=xsin2θ+cos2θ
(4) 次の等式を満たす実数a,bの組(a,b)をすべて求めよ。
[(ax+b)4]=−1
出典:東北大学 2019年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第4問
方針
x2≡−1 と考え、余りを一次式に直す。(2)は余りの定義から、元の整式との差が x2+1 の倍数であることを使って積でも余りが一致することを示す。(3)は直接展開して x2≡−1 を使う。(4)は a,b を rsinθ,rcosθ と表す三角関数解法に加え、2abx+b2−a2 を使う代数的な別解も示す。
解答
(1)
x2+1 で割った余りを考えるので、余りの計算では x2≡−1 としてよい。したがって [2x2+x+3]=[−2+x+3]=x+1 である。また x4≡1 より x5≡x なので [x5−1]=x−1 である。さらに [[2x2+x+3][x5−1]]=[(x+1)(x−1)]=[x2−1]=−2 である。
(2)
整式 A(x) を x2+1 で割ると A(x)=[A(x)]+(x2+1)Q(x) と書ける。同様に B(x)=[B(x)]+(x2+1)R(x) と書ける。これらを掛けると、A(x)B(x) と [A(x)][B(x)] の差は x2+1 の倍数である。したがって、この2つを x2+1 で割った余りは等しい。よって [A(x)B(x)]=[[A(x)][B(x)]] である。
(3)
左辺を展開して余りを取ると
[(xsinθ+cosθ)2]=[x2sin2θ+2xsinθcosθ+cos2θ]=−sin2θ+xsin2θ+cos2θ=xsin2θ+cos2θ
である。したがって示す等式が成り立つ。
(4)
まず (a,b)=(0,0) は左辺が0になるので不適である。そこで a=rsinθ,b=rcosθ,r>0 とおく。このとき ax+b=r(xsinθ+cosθ) である。(3)と(2)を用いると [(ax+b)4]=r4[xsin4θ+cos4θ] である。これが −1 に等しいためには r4sin4θ=0,r4cos4θ=−1 でなければならない。よって r=1 かつ sin4θ=0,cos4θ=−1 である。したがって 4θ=(2m+1)π となり、sinθ,cosθ は (±21,±21) の4通りを取る。よって
(a,b)=(21,21),(21,−21),(−21,21),(−21,−21)
である。
別解。
(4)は代数的にも解ける。まず [(ax+b)2]=2abx+b2−a2 である。u=2ab、v=b2−a2 とおくと [(ax+b)4]=[(ux+v)2]=2uvx+v2−u2 である。これが −1 となるには uv=0,v2−u2=−1 が必要である。u=0 なら v2=−1 となり不可能である。よって v=0 であり、b2=a2 である。このとき u=2ab=±2a2 だから −u2=−1 より 4a4=1、すなわち a2=21 である。したがって b=±a と合わせて、上と同じ4通りを得る。