東北大学 2010年度
文系数学 前期 第1問
- 試験区分
- 前期日程 第2次学力試験
- 対象
- 文系
- 分野
- 関数、微分、論証・証明
- 解法
- 式変形、不等式評価、場合分け
- 難易度
- 5 / 10 計算量 5 / 10 目安 20分
問題
f(x)=x3とするとき,以下の問いに答えよ.
(1) 0≦a<x<yを満たすすべてのa,x,yに対して
x−af(x)−f(a)<y−xf(y)−f(x)
が成り立つことを示せ.
(2) y<x<bを満たすすべてのx,yに対して
f(x)>b−y(x−y)f(b)+(b−x)f(y)
が成り立つようなbの範囲を求めよ.
出典:東北大学 2010年度 前期日程 第2次学力試験 文系 前期 第1問
方針
どちらも3次関数の平均変化率や弦との差を、直接因数分解して符号を調べる。(1) は2つの平均変化率の差を取り、条件 0≦a<x<y から各因子が正であることを示す。(2) は点 (y,f(y)) と (b,f(b)) を結ぶ弦上の値との差を計算し、y<x<b で符号が固定される因子と、常に負であるべき因子を分ける。
解答
(1) f(x)=x3 であるから,x=a,y=x に注意して x−af(x)−f(a)=x−ax3−a3=x2+xa+a2 である。また y−xf(y)−f(x)=y−xy3−x3=y2+xy+x2 である。右辺から左辺を引くと (y2+xy+x2)−(x2+xa+a2)=y2+xy−xa−a2. これを因数分解すると y2+xy−xa−a2=(y−a)(x+y+a) である。
条件より y−a>0 であり,また 0≦a<x<y だから x+y+a>0 である。したがって (y−a)(x+y+a)>0 となり,x−af(x)−f(a)<y−xf(y)−f(x) が成り立つ。
(2) 点 (y,f(y)) と (b,f(b)) を結ぶ直線において,x に対応する値は b−y(x−y)f(b)+(b−x)f(y) である。そこで差を計算する。f(t)=t3 を代入すると
f(x)−b−y(x−y)f(b)+(b−x)f(y)=x3−b−y(x−y)b3+(b−x)y3.
分母を払って整理すると (b−y)x3−(x−y)b3−(b−x)y3=(b−y)(x−b)(x−y)(b+x+y) である。したがって f(x)−b−y(x−y)f(b)+(b−x)f(y)=(x−b)(x−y)(b+x+y). ここで y<x<b だから x−b<0,x−y>0 である。よって上の差が常に正であるためには b+x+y<0 が常に成り立てばよい。
まず必要性を調べる。x,y をともに b に近づけると,b+x+y は 3b にいくらでも近づく。もし b>0 なら x,y を十分 b に近く取ることで b+x+y>0 となり,不等式は成り立たない。したがって必要条件は b≦0 である。
逆に b≦0 とする。y<x<b より x<b,y<b であるから b+x+y<b+b+b=3b≦0. 実際には x<b,y<b なので b+x+y<0 である。したがって差は正となり,条件を満たす。
以上より求める範囲は b≦0 である。